第20話負けない決意

あぁ瑠璃にまで手を出すなんて、あいつら絶対に許さない。神宮寺さんが言った。


その表情から彼女らに対して怒りを表していた。


そう言って、神宮寺さんは握り拳をし、何かを決意したようだった。


大丈夫よ。でも神宮寺さんに今度手を出してきたら、まずは、2人で、先生に相談しよ。


分かった。そうしよう。2人で約束を交わした。


2人の瞳からは、互いに結束力を示す、友情の炎が燃えていた。



瑠璃さん、やっぱり、そうなってしまったか。彼女は腰を屈め、私の髪を撫でた。


巻き込まれてしまった。葉山は、やっぱり止めておけばよかったと、

その顔には悔しさと後悔が混じった表情が浮かんでいた。


さてと、そろそろみんなで帰宅しましょう。私は努めて明るく振る舞った。


それは2人に対して、心配をかけさせまいと言う私の心の感情からきた言葉だった。



うん早く家に帰って美味しい物食べて、嫌な事忘れたい。神宮寺さんが疲れた様に言った。


そうだね。この後みんなで一緒に食べに行くのも良いけれど。私は折角なのでそう提案した。


じゃあそうしようか。と彼女が返事。


私も行く。美雨さんも一緒に行く事に。


やっぱパスタ屋が良いよ。神宮寺さんおすすめのお店に行く事にした。


店内はとてもおしゃれで、明るい気持ちにさせてくれる。

黒板の様なところに白く書かれたメニューがとても雰囲気が出ていて、来て良かったと思わせてくれる。


鮮やかな自然を感じさせる、エメラルド色の、大きな葉が付いている観葉植物が、入り口のドア近くに置いてあり、それも目を見張るものがある。


イスと机も清潔感を感じさせて、食欲を増してくれる。


みんなで食べながら仲良くお話しした。


自分達の趣味や、なんでもない日常の話まで、しばらく語っていた。


そして帰宅し、シャワーを浴びて髪をドライヤーで乾かしながら、明日の事を考えていた。

そしたらいつのまにか寝ていた。


私は次の日の朝、目覚ましが鳴り目が覚めて支度し学校に行く時間になった。

少し学校に行くのが憂鬱な気持ちがする。

この後何かあるかもしれないと不安が襲う。


今日から、私の学校生活に微妙な変化が起こり始めた。それは自分に対するイジメが始まったからだった。


しかし、神宮寺さんには、何故か手を出さずにいた。


授業の休憩中、トイレに待ち伏せしていた、彼女らが、悪意のある嘲笑を感じさせる表情をしていた。


おらっ。鬼塚は私に蹴りを入れた。


その瞬間息が詰まるほどの苦しみで、声が漏れた。私は痛みに耐え、お腹を抱え込むように伏せた。


私は鋭いんだ。今度神宮寺に手を出したらコイツは必ずちくる。

だから今度はコイツで楽しむ。


くっ。でも私も黙ってやられない。

私は立ち上がり、彼女に向かって、胸ぐらを掴み、鬼塚を平手で叩いた。


しかし多勢に無勢だった。


2人に腕を掴まれ、何も出来ない状態にさせられた。


さすがに3人も相手では敵わない。


なんとかしないと。このままじゃ、絶望するだけ。


私はいじめられながらも、絶対にこの人達には、負けない。

私は自分を鼓舞し、心に硬く誓った。


彼女に屈服すれば、自分が惨めになる。


もしかしたら他の生徒にいじめが連鎖するかも。


ここで私が踏ん張れば、いじめも、もしかしたら無くなるかもしれない。


自分だけではなく、みんなのためにそう決意した。


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