第17話恐怖.閲覧注意暴力的な描写あり
いじめはどんどんエスカレートしていった。どうやってこの地獄から抜けだせるのだろう。毎日そう思っている。
そして私は、それに追い込まれていった。心が蝕まれるようだ。
神宮寺、今日はアンタにとびっきりのご馳走持って来たよ。物凄いしたり顔で、私に言ってきた。
なんだと思う?じゃじゃーん。新鮮なゴキブリ。
ひぃ。私は悲鳴をあげたつもりだが、あまり大きな声にならなかった。それほど衝撃が私には強すぎた。
何故なら私の一番嫌いな生き物だからだ。目を背けたくなるほどに。
何するつもり?
何故手に持っているの、そして彼女はどうして平気なの。
まさか?
その考えが間違いであってくれたらどんなに良いか。
私に食べさせるつもり?
違うよ、そこまでしないと言って欲しくて彼女に聞いた。
想像するだけで吐き気がする。そのイメージで、私の体は全身に鳥肌が立った。
まさかそこまでしないよね?
冗談だよね?
と心のどこかで、嘘だと叫んだ。
2人とも神宮寺抑えて、さぁ口を開けな。
その言葉が耳に入ってきた。
なんでそこまでやるの?
ありえないよ。悲鳴が出ず、そこで鬼塚に向かって目で辞めろと訴えた。
だがそれは無駄だった。
そう彼女の表情は目を避けるほど恐ろしかったから。辞めるつもりはないのだ。
ゴキブリが口に、どんどん近くなってきた。
その恐怖で、私の体は震えが止まらなかった。
あぁいっそう、鬼塚の手を噛みちぎってやろうかと、その方がいい。
と思っていたが、それは、遅かった。すでに口の中にゴキブリが入れられた。
ぼぉえっ。ついに私は、吐いてしまった。
んだよ人がせっかく用意してやったのに。
その彼女の言葉は私に憎悪をもたらした。
殺してやる。殺してやりたいと、心で何度も呟いた。
そしてそれと同時にもう死にたくなった。
あぁ死のう。そうすれば楽になれる。遂にはそう思ってしまった。
その時だった。私を救う声が耳に入ってきた。
あなた達何やってるの?
そう言って、私に駆け寄って来た。まさにヒーローだった。
それは月宮だった。月宮瑠璃。まさか彼女が、庇ってくれるなんて。
彼女とは、その時まで接点はあまりなかった。彼女は学内では有名だったので、知ってはいたが。
別に私達は、美味しいもの食べさそうようかと。悪びれもせず鬼塚が言った。
何が美味しいものだ。あんなものお前たちは食べるのか、ちくしょう。と心で呟いた。
それを無視して月宮は、大丈夫?
さぁ行こうと私を抱えてその場から立ち去った。
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