第14話いじめ
その夜、私は、演劇部に入るつもりだと言う事を、親に打ち明けた。
親は歓迎してくれた。もちろん先生がはとこなので。安心して預けれる事もあった。
そして食事になり、楽しく家族と団欒の日を過ごす。
何か他にも有れば言ってね。相談に乗るからと母が言い、父が本当に誇らしい娘だと微笑んで言った。
私は幸せを実感し、涙が出てきた。
人は幸せ過ぎると涙が溢れてくるのだろうなと思い、目を擦った。
そして次の日学校に意気揚々と行った。おはようと笑顔で友達に挨拶しあった。
教室の席についた私は昨日親に言われた事を思い出した。自慢の娘か、思い出し笑いの様に笑みが溢れた。
どうしたの? 何か良い事あった?
機嫌良さそうだからさと言った。
うん。親に褒められたのと私は返事をした。
そうなんだ、いつも褒められてそうだけどね。友達が言った。
そんな事ないよ? それに昨日は特に親が気持ちがこもってた。
授業の始まりの鐘が鳴った。また話そうと言って友達も席に着ついた。
それから授業に集中し過ぎた。ちょっと頑張り過ぎたなと思った。そして緊張感でトイレに行きたくなった。
休憩になり私は、一目散にトイレに向かった。
洗面所の一室、ちょっとアンタ。いきなり怒鳴り声で私に言ってきた。
何か用事? 神宮寺は答えた。
鬼塚の他に連れが2人いた。
アンタさ、うちの石黒誘惑したんだってね。
全く人のものを、このアバズレが。
鬼塚が何を言ってるのかさっぱりわからない。
はぁ? 私石黒になんか興味ないよ。それどころか。途中で言い終わらないうちに、話を遮られた。
黙りな!鬼塚はものすごい勢いで私を睨み、石黒から全部聞いてるんだ。
とんでもない女だよアンタは。
鬼塚は蛇口に手を出して、それを思いっきり回した。
そして私の髪を掴み、その蛇口に向かって私の顔を突っ込んだ。
そう言う女はね、水で綺麗にしてやらないとね。
がっはっ。私はあまりの苦しさに暴れたが、連れの2人に動きを封じられた。
助けて。助けてください。私は彼女に屈辱だが、救いを求めた。
あはは。鬼塚は楽しそうにしていた。
そして私のお腹に何度も拳を振り上げた。
流石に顔だとばれるからね。
アンタ今度の事誰かに喋ったら、ただじゃおかないよ。
私は本当に中学生?
と彼女に対してヤンキーだよ本当に。と心で驚きと嫌悪感を感じながら言った。
やばいのに目をつけられたなと思った。
そして石黒に対しても怒りが込み上げて来た。
ちっくしょう。石黒のやつ。有る事無い事言いやがって。
これで終わりであれば良いけど。またこんな事されたくない。
鬼塚とこんな関係じゃ、演劇部にも入れないよ。
いっそ鎌田先生に言うか? でも…鎌田先生に迷惑かけたくない。
これからどうしようと思った。
誰かに言うなって、言える訳ない。だって、先生に言ったらなんとかしてくれるかも。
でもそうなったら、この問題が公になって、演劇部が潰れちゃう。そしたら先生は?
きっとショック受ける。そう思うと私は涙が止まらなかった。
そう言えば、彼女って他にも色々悪い噂聞いた。恐喝や、暴力を振るったり。密告した生徒もいるけど、親が揉み消したとか。
恐ろしい事が頭に浮かび、私は体の震えを感じた。
しかし、鬼塚のいじめはこれからも続いていくことになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます