β-12281
「はっ……」
起きると、真っ白な空間にいた。地面も、空も真っ白だ。地平線の彼方まで凹凸一つない平面が続いている……
「ここは……どこなんだ……?」
周りを見渡すと、十メートルほど先に机と椅子が置いてある。それ以外は何もないようだ。
私は立ち上がり、引き付けられるように机に近づいた。
机の上には開きっぱなしの古本と、万年筆があった。
「はっ……!」
古本にあった黒いしみだと思っていたものは、全て文章だった。全てに“やり直し7月2日”という文章が入っている。
……なにこれ……怖……
運命的なものを感じたからか、万年筆を持ち、椅子に座った。
……これ…やり直しって書いた方がいいのか……?
迷う手は、万年筆を持ったまま静止している。
……いや。心残りなんてないや。
“日常が、続きますように”
~終わり~
地底 HAL @haruness
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