第22話
美咲と別れた唯は、まっすぐに悠人の教室に向かわずに、一度生徒会室の方に向かった。美咲にああ言った手前、形だけでも生徒会室に入った方がいいと彼女は思った。階段を一階分あがって踊り場の角を曲がったとき、誰かが生徒会室の前でドアに寄りかかるように立っていることに気がついた。
「・・・・・・ここでなにしてるの」
「唯を待ってた」悠人が言った。「おまえさっき逃げちゃうし。言い訳くらい聞けよ」
言い訳なんか聞きたくないが、彼に告白するにはちょうどいい環境だった。振られるとしても誰も聞いていない生徒会室で振られるだけですむ。
「入って」
唯は預かっているかぎで生徒会室のドアを開けた。悠人も後について入ってきたけど、どこにいればいいのか身の置き場に迷っている感じだった。 それは唯も同じで、座ればいいのか立っていた方がいいのかわからず、悠人の前にただ突っ立ていた。
「今日は本当に用事があって来ただけなんだよ。用が済んだからもう帰るし」
「芽衣に会いに来たんでしょ」
「それは芽衣に会いに来たんだけどさ・・・・・・って、ちょっと待てって」
険しくなった唯の顔を見て、悠人が慌てて言った。
「芽衣に用事があったんだよ。顔見たいとかそういうんじゃなくて」
「用事ってなによ」
こんな話はどうでもいい。少し黙って告白する時間を与えてくれないのか。
「おれさっき芽衣と別れてきた」
え? 別れた? では結局、芽衣は悠人を振ったのか。
「芽衣に振られたってこと?」
「いや。おれが芽衣に別れてくれって頼んだ」
悠人の言葉に唯は混乱した。悠人が芽衣を振った? あれだけ彼女に執着してたのに。
「どうして? 芽衣のこと好きなんでしょ」
彼はすぐには答えずに唯を見つめた。
「自分の気持ちに気づいたから」
「うん? さっきからなに言ってるか全然わかんない」
「じゃあ、わからせてやるよ」
めったに見ない真面目な表情だ。
「おれたち付き合わないか」
この男はなにを言ってる。
「付き合うって? どういうことよ」
「どういうことって。おれは唯が好きだって言ってんだよ。わかれよ」
ようやく自分の思考が悠人の話に追いついた。信じられないことに唯は悠人に告られていたのだ。唯はようやく言葉を絞り出した。
「好きって・・・・・・本気なの?」
「本気だよ。遅くなったけど、時間かかったけど、やっと気づいた。おれと付き合ってくれ」
もう迷うまでもなかった。結局唯も芽衣も余計なことをするまでもなく、最高の結末に至ったのだ。卑怯なまねもせず、誰も裏切ることなく。「うん」とだけ唯は言った。。泣くのを必死に我慢して。
こうして悠人が唯の彼氏となった。
「芽衣はなんて言ってたの?」
いきなり肩に手をかけ、抱き寄せようとする悠人にあらがいながら唯は聞いた。
この頃にはもう唯はパニックから抜け出していたが、気持ちが落ち着いたわけではなく逆方向に、つまりアッパーな方向に気持ちが盛り上がってしまっていた。
でも無理はないと思う。物心ついたときからずっと望んでいたことが、望んでいたけど実現はしないだろうと思っていたことが実現したのだから。「わかったって、あっさりと言ってたよ」
「そうなの」
「おれさ。芽衣にひどいことしたじゃん」
「うん」
彼の頭の中ではそうなっているんだろう。芽衣はうれしさを隠すのに大変だっただろうけど。
「唯が好きだから別れてくれって、まあそういった意味のことを芽衣に言ったんでさ、芽衣も傷付いたと思うし、なによりおまえと芽衣の仲を気まずくしちゃったかもしれない」
その心配は不要なのだが。
「自分に酔ってるわけじゃねえし、女の子を振るのも初めてじゃないけど、さすがに唯は芽衣の友だちだしな。彼女の親友を好きになって彼女を振るなんて最低じゃん」
「悠人」
「でもやっぱり唯が好きだとわかったから。おれっていつもわかるの遅いんだけどさ」
もうこれで死んでもいいとさえ唯は思った。「まあ、だから芽衣は本当は辛かったと思うけど、おれや唯のことを考えてあっさりと身を引いてくれたんだと思うんだよな」
悠人がそう思い込んでいるならその方が悠人の精神衛生上はいいに違いない。もちろん、本来なら不要なはずの芽衣に対する罪の意識を覚えることにはなるけど、実は自分が芽衣に全く愛されていなかったと悟るよりはだいぶましなはずだ。
「芽衣にどう謝ればいいんだろう」
この状況下では、そういう風に言わざるを得ない。できることは、せめて自分の口調や表情に真実味が感じられるよう祈るだけだ。
「そうだな。おまえにも辛い思いをさせちゃうけど、これは逃げずにおれたち二人が背負わなきゃいけないことだよな」
原罪というわけか。悠人はさっきから口では殊勝なことを言っているが、自分に酔っている部分があることが唯にはわかった。女の子を振りなれている悠人のことだ。そんなに振った女の子のことを気にしたことなんかないのだ。今回の劇的なシチュエーションが彼としては気に入ったのだろう。
それでも唯は悠人のことが好きだったから、ようやく彼と結ばれた今、彼の自己陶酔的な言動に水を差すつもりはなかった。唯は彼の言葉に寄り添おうと思った。
「本当にあたしたちは許されないことを芽衣にしたんだね。許してくれるかわからないけど、あたしも芽衣に謝るよ」
「芽衣はおれたちを怒ってないよって言ってたけど、内心は相当傷ついてたと思うんだ」
「そうだよね」
「でもさ。おれは唯がこの先ずっと一緒にいてくれたらそれでいいよ。幼なじみでお互いのことよくわかってるしさ。結婚を前提に付き合おう。早いとこ婚約しようぜ」
結婚? 一緒に公園で遊んだ子供のころからずっと長い時間が経っているのに、付き合いだしたらこんなに展開が早いんだ。
「そうだね。あたしもそうしたい」
「じゃあ、早い方がいいな。今日おれおまえの家に行くよ。唯をくださいって言いに」
ばか。
「だめ。そんなことはあんたが明徳に合格したらでしょ。今は受験勉強に専念しなきゃだめ」
「そこはずっと変わんねえのな」
「絶対合格して。あたしも追いかけて明徳に行くから」
「わかってる。富士峰だっておれが先に受かっておまえの入学を待って、おまえに校内を案内してやったんだぜ。忘れたのかよ」
一生忘れないに決まってる。唯は言ってやった。「一生忘れないに決まってんじゃん」
「おつかれさま」
芽衣はLINEのメッセージではなく通話してきた。
「おつかれ」
「先輩から聞いた? あたし振られちゃった」
「聞いた。つうか、えと」
「どうした」
「あたしも悠人に告られた」
「やっぱりね。よかったね唯」
「ありがと」
「それでね。この先なんだけど」
やっぱりそうなるよね。正直に言うともうここでやめられないかと唯は考えていた。唯は、悠人の方から告られるという望外のできごとが起こった。自分から告白して振られるかもと心配していたときから考えたら、今彼女は嘘のような幸福に包まれている。
あくまでも結果としてだけど、唯は自分の手を汚さずにヒロインになれたのだ。都合のいい話だけど、芽衣と一緒に考えたこの計画はもうやめにしたかった。もうこれ以上、こざかしい手管を重ねるこはないのではないか。
もちろんそうはいかなかった。唯が始めたこのゲームはこんな都合のいいところで終了したりはしてくれなかった。それは芽衣の期待への裏切りを意味する。
芽衣は無事に悠人に振られた。修羅場を覚悟して自分から悠人を振る覚悟までしていたことを考えれば、芽衣にとってもここまではいい流れだった。ただ、芽衣にとっては悠人と別れること自体が目的なのではない。それは手段だ。芽衣の目的は秋田と付き合うことなのだ。唯は覚悟を決めた。
「わかってるよ。次は美咲と秋田さんを別れさせよう」
「お願い」
「と言ってもなあ。こんなに早く第二段階に至るとは思わなかったから、まだちゃんと考えてないんだ」
「それはそうだよね」
「ちょっと考えるよ。明日のページェントの合間のどこかで話そうよ」
「わかった。でも、唯も今日は頭を使うどころじゃないでしょ。そんなに急がなくてもいいよ」
芽衣に気を遣われてしまった。なんで上から目線なのだ。でもまあ、これで少しは悠人の彼女になれた余韻に浸る時間を、今夜は確保することができそうだった。
「唯にとって最高のクリスマスイブになったね」
「あたしは別に」
「今さらわたしにまで格好つけなくてもいいじゃない。先輩と付き合えたんだから、喜んでいいんだって」
「告られたことは確かだけど」唯は思わず正直に感想を芽衣に言ってしまった。「イブなのに学校から家まで送ってもらって終わりなんだよ」
芽衣が笑い出した。
「いつもは厳しく、今は受験勉強しろって先輩に説教しているくせに」
唯らしくなく顔が赤くなるのを感じた。ビデオ通話でなくてよかった。
「今ごろは大輝君と美咲は何しているのかな」芽衣がぽつんと言った。
悠人と別れたとはいえ、芽衣の好きな秋田は美咲と今デートしているのだ。彼女としては悠人との別れを喜ぶというより、秋田と美咲のイブのデートを気にしていて、きっと胃が痛い思いをしているのだろう。
「そういうマイナスなこと考えちゃだめだよ」
唯は芽衣を励ました。
「すぐに対処を考えるから」
「うん。期待している」
翌日も唯は学校でクリスマスの行事があるため登校した。悠人には昨日の別れ際に、今日は塾をサボらないように言っておいたから、彼が登校することはないけど、唯はそのことを少し残念に思った。
教室に入るとすでに芽衣と美咲が席に着いていてなにやら話をしていた。まあ話題は想像がつく。昨夜のイブのデートの話を美咲がしているに違いない。
「おはよ」
「やっと来た」芽衣がそう言った。
「やっとってなんかあるの?」
「美咲の昨日のデートの話を聞かされる係、交替ね」
「そういうことか」
一瞬、唯と芽衣の視線が絡んだ。芽衣の一言で、彼女が悠人と別れたこと、悠人と芽衣が付き合いだしたことを美咲には秘密にしていることを悟った。それなら自分も黙っていなければ。
「芽衣ひどい」
美咲はそう言ったけど、少しも気にしていないようだった。
「ねえ唯、聞いて。昨日の夜さ、彼が連れて行ってくれたレストランってね。ほら前にわたしがこのお店可愛いて言ってた店だったの」
「ああ、パパに連れて行ってもらったって言ってたとこ?」
「そうそう。もちろん昨日は行ったことがあるとは言わなかったけど」
「どうして」
「せっかく彼が探してくれた店だもん。初めて来られて嬉しい、ありがとって言った方がいいじゃん」
「うわ、計算やば。楽しかった?」
「めっちゃ楽しかった。食事のあと大輝さんがイルミネーションを見に連れて行ってくれて。周り中カップルだらけだった」
「いいなあ」
「あそこちょっと高いじゃない? 高校生同士だと浮いちゃいそうだけど、大輝さんは大学生だから心強かったよ」
「大輝君もああいう店慣れてないけどね」
芽衣が突然口を挟んだ。
え? 今まで余裕をもって秋田さんとの仲を自慢してくる美咲をいなしていた芽衣も、ついに我慢できなくなったのだろうか。美咲が、芽衣の秋田さんに対する恋心を疑っているのであれば、これでは美咲の思うつぼになる。
「そんなことないよ。芽衣ってずっと大輝さんに会ってなかったんでしょ? 今の彼のことはわかってないじゃん」
美咲がむきになって芽衣をにらんだ。
これもまた意外な反応だった。彼女が本当に秋田のことが好きなのならば、意外でもなんでもないけれど。
「そうかもね。私の知ってるのは昔の大輝君だもんね」芽衣が美咲をなだめるように言った。
よかったと唯は思った。芽衣も美咲の反応に驚き、軌道修正を図ったようだ。
「あたしもそういうレストランでディナーとかしてみたい」
唯も話をそらした。
「唯も大学生になって彼氏ができれば行けるよ」 美咲も機嫌を直して言った。
「それにしても美咲のうちって門限なかったっけ? ディナーとか大丈夫だった?」
芽衣が話を合わせた。
「大輝さんがちゃんと考えてくれたから。門限までに送ってくれたよ」
それに答えようとしたときに、担任の先生が入ってきたのでこの話はそこまでで終わった。
クリスマスページェントのあと、軽食とソフトドリンクが出されるクリスマス会があって、昼過ぎに二五日の行事は終了した。この先のことを考えると今日は芽衣と一緒に帰って途中で打ち合わせでもすべきだったが、唯はあまり気が進まなかった。
まだ考えもまとまっていないのだ。芽衣の期待にも応えられない。幸か不幸かその日は美咲が芽衣と一緒に帰ろうとしたため、芽衣は未練がましく唯の方を見ながら美咲と連れだって教室を出て行った。
帰宅して自分の部屋に戻ると、芽衣からLINEが来ていた。
『美咲から初詣に誘われた。大輝君の車で大晦日の夜に出発するって言ってた。二人きりの方がいいんじゃないのって聞いたら、三人の方が賑やかでいいからって。本当かなあ』
唯はすぐに芽衣に音声通話をした。
「なにか企んでなきゃわざわざわたしを誘うわけがないよね」
芽衣は疑わしげな口調で電話に出た。
「いったいなんだろうね」
唯に思いつくのは、美咲が大好きな芽衣と一緒に過ごしたいと思いつめ、本来は二人きりの初詣デートに芽衣を加えることを秋田に納得させたということだ。しかし、それを彼女に話したとしても、美咲の本当の恋愛対象が自分であることに気がついていない芽衣には、全く理解しがたい発想だろう。
「ただ、秋田さんが了解したということは、秋田さんも芽衣と一緒にいたいのかもしれないね」
唯の素朴な感想は芽衣を喜ばせたようだった。
「そうだといいんだけど」
スマホの向こう側からは少し弾んだ声がした。
「とにかく断るのも面倒でしょ? 芽衣だって秋田さんに会いたいだろうから、あまりごちゃごちゃ考えずに行ってきたら?」
唯は無責任に言った。
このイベントによって、唯が考えなければいけない次の手を、当面は芽衣に催促されなくなるかもという情けない期待も頭にあったのも事実だった。
そのとき、なにかが胸の奥に生じた。それは唯の中にひっかかっていて、なかなか確かな姿を結ばないわりには消え去りもしない。
なんだろう。
「ちょっとごめん。ママに呼ばれたから一度切るね。またあとで連絡するから」
唯は通話を切って、心のひっかかりに集中した。
さっき唯は『ただ、秋田さんが了解したということは、秋田さんも芽衣と一緒にいたいのかもしれないね』と言った。多分唯は今それに関連してなにかを思いついたのだ。
そうだ、秋田だ。
今まで唯は、芽衣を悠人と別れさせることまでしか考えていなかった。芽衣と秋田を付き合わせてあげるよと大見得を切ったわりには、芽衣と悠人が別れた後のことをまじめに考えてこなかったのだが、今それが見つかった気がする。
唯の心のひっかかり。それは秋田の出番というか役割をこれまであまりちゃんと考えてこなかったことだったのだ。
美咲が芽衣を初詣に誘ったことで、秋田の気持ちを確かめ、あわよくば芽衣と秋田を付き合わせることができるかもしれない。そういう方法を思いついたかもしれないと唯は思った。
それから数時間かけて、唯は夢中になって計画を立てた。
これで芽衣への義理は果たせる。もう遅くなってしまったが芽衣はまだ起きているだろうか。
「もしもし芽衣? まだ起きてた?」
「唯の電話が気になって眠れなかったよ」
「あたし思ったんだけど、あんたたち三人の初詣先であたしたちと合流しない?」
「なにそれ。どういうこと?」
唯は考えついたことを芽衣に詳しく説明した。芽衣は口を挟まずに最後まで黙って聞いていた。
「どうよ」
「どうかなあ」
芽衣の口調から疑わしげな気配が伝わってきた。「大輝君は彼女と一緒にいるわけだし、そんなことしてくれるかなあ」
このとき唯が芽衣に伝えたのは単純な作戦だった。
初詣先の神社で、唯と悠人が二人きりで一緒にいるところを、芽衣と秋田、ついでに美咲に目撃させる。悠人が芽衣と別れて唯と付き合いだしたことは、秋田と美咲は知らない。そして、芽衣が驚き、傷ついている(振りだけど)ところを間近で見た秋田はどう行動するか。彼が芽衣のことを好きなら、美咲のことは気にせず芽衣をやさしく慰めるのではないか。
つまりこの作戦により秋田の気持ちがわかるのだ。仮に芽衣ではなく美咲の方が好きなのだとわかったとしても、それはそれで仕方がない。
芽衣が秋田をあきらめるか、あきらめられないというならまた一から、美咲から秋田を奪う方法を考えるしかない。
「とにかくやってみようよ。なにかを起こさないとなにも起きないよ」
当たり前のことをいいながら、これは意外と真実だと唯は思った。
「わかった。やってみる」
どこまで期待しているのかは不明だが、とにかく芽衣は同意した。
「詳しい目撃場所や時間はまた打ち合わせしよう」
「悠人先輩にはなんて言うの?」
もっともな疑問だった。
「なにも言わないで、初詣に誘うよ」
こうして唯たち五人の初詣の夜の過ごし方が決まったのだ。これがうまくいったら、美咲は本当にひとりぼっちになるな。唯はふとそう考えた。
自己中心的で、自分のためなら人の感情を傷つけることも厭わない、それどころか無関係の秋田の気持ちまであそぶ。それが美咲だとしても、これを実行すれば、唯も芽衣も美咲を非難できる立場じゃなくなるのだ。
悠人を説得するのは簡単だった。
「唯に誘われるとは思わなかったよ。おまえのことだから、初詣なんか行かずに勉強しろって言いそうじゃんか」
「合格祈願しといた方がいいと思ったの」
合格祈願ならもっと近くに学問の神様を祀った天満宮がある。元旦の昼間にそこに行けばいいのに、なんで大晦日の夜中に遠くの有名な神社に行くのかとは、悠人は聞かなかった。気晴らしに外出できるなら細かいところは追求すまいと考えたのかもしれない。
彼はここ最近まじめに受験勉強に専念していると、悠人のお母さんが言っていた。「唯ちゃんのおかげね」って言われた唯はなんと答えていいかわからなかったけど、表情がすべてを語ってしまっていたと思う。唯と悠人とお互いの両親は昔からみな仲がいい。
「じゃあうちまで迎えに来てね」
「わかった。そんなに遅い時間に行っておばさんになんか言われねえかな」
「話しておくから大丈夫よ」
「また、唯を守ってねって言われるかもな」
唯と悠人は声をそろえて笑った。
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