スペア
小川の言葉に倉坂は目を丸くした。
「わかるの? 合鍵つくったのが誰か」
「わかるだろ」と面倒臭そうに小川は言った。
「どうやって? 超能力ってのはなしだからね」
「簡単なことさ。うちの高校の近くでスペアキーをつくれる店は、西中の裏手の鍵屋しかない。鍵を持っていって前に誰が合鍵を注文したか調べれば一発だ」
「バイパス沿いのホームセンターがあるでしょ」
「去年できたばかりのな」と伏見は鍵を拾い上げた。
「なるほど、どうみても去年つくった鍵じゃない」
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