最近、僕の調子が悪い。2週間くらい前から、週に7日は風呂にも入らず布団も敷かずにそのまま寝てしまうなどの前兆はあったが、ここ最近は特に悪い。脳も耳も鼻も。

身体全体の仕事が適当になってるのか、なんて名付けるならば株式会社ボディーの社長のようなことを思いつつあると、

「（そう言えばまだ風呂に入ってなかったな14時44分）」

なんて頭に思い浮かんでいた気がしたので風呂に入ろうと考えた。

しかし風呂に入るのは大きな決意が必要なのである。スマートフォンと結婚したのかと思えるほどにガラス板を叩く掌、布団というブラックホールに吸い込まれたのかともがく足。彼らをどうにかして動かさないといけない。

とりあえず一回転して天井を見上げてみる。肘が疲れた。既に膝は布団を寂しがっている。

そう言えば友達のK君が身体に関係する漢字の部首は全てにくづきだなんて言ってた在りし日の言葉を思い出す。

「（風呂入らないとな）」

こうして僕の膝は出発し、掌は下着を取り出しつつ離婚調停を始めた。

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