駅前の喜びと不安。

僕はこの地で育ってきて10数年、最近やっと1つこの地に家があるメリットを享受出来るようになったと思って歩いている。DONKIの食料品売り場を延々と。


DONKIというのは凄い。なにせ飲み物やお菓子が大体100円以下で買えるのである。二つ買っても200円で払える。僕の散財癖のあるフランス国旗の財布に優しいのだ。


と思って会計を進めて歩いていくと外に出た。外は相変わらず愉快では無い過疎に満ちている。


流れる最新の楽器、それを愉む大きな声の片田舎人の、同胞か怪しい人々。あと傘を差すサラリーマンら、性別や国籍や年齢に多様性の見られる通行人。そしてそれらを見送って立つスーツの手相占いも去って、駅前はちょっとした音の坩堝になる。


これらに負けじと身体を使って動いていく。ただ警察のような見た目の存在が通り掛かると、僕は嫌な未来予想をしたので特殊に歩き始めた。


こうして僕は、ちょっとした定住地で時たまアクセントを加えながら、ここ十数分を菓子とジュースと思い出しているのである。






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