第3話

3 美しい「もの」に捉われて


 途中で3回の休憩をはさんで、ようやく到着した。

 来る途中の国道の看板はK市とある。目的地はその市内にある水主山(かこやま)という町だった。

 小さなトンネルを抜けると、狭い平地のすぐそばまで山が迫っている。

 そのわずかな平地に身を寄せ合うように十数軒の小さな民家がある、小さな町だった。漁港がある。十隻ほどの漁船が見える。この町は漁で生計を立てているのだろう。

 山の中腹には神社がある。

 そのふもとには周囲の民家とは明らかに規模の違う屋敷というべき家屋があった。

 そこに私たちはいた。

 ようやく到着したのだ。時計を見る。午前8時を少し過ぎていた。


 この水主山に着く数時間前のこと。

 久々津英真の刺青の変化に驚いて蛇行した後、すぐにサービスエリアに入った。

 高級車が止まるのもそこそこに降りてきた英磨君に問答無用で胸倉をつかまれる。

「おまえ! 何しとんじゃコラ!」

 あたりまえの反応だろう。

「英磨、あたしが悪いねんて」

 取りなすつもりなのだろうか、いや、面白がっているだけだ。

「姉ちゃん殺すつもりか!」

 いつの間にか大路さんも私のそばに立っていた。表に出すわけではないが内心の怒りが伝わってくる。むき出しの怒りをぶつけてくる英磨君よりも恐い。

「お前はどうなってもええけどな。姉ちゃんになんかあったら許さんぞ!」

「英磨、あたしがふざけただけやねん」

「姉ちゃん! こんな奴のどこがええねん」

 らちが明かないと思ったのか、久々津英真が英磨君の手首をつかむ。私の胸倉をつかんでいる方の手だ。軽くつかんでいるだけに見えたが、英磨君は苦痛に顔をゆがめる。私の胸倉をつかんでいた手が放される。

「この人はな、ちょっと相性がええかなって思ったんや」

 久々津英真が言う。大路さんが一瞬ぎょっとした目で私を見る。

 大路さんの反応の通り、どういう意味にでもとれる言葉だった。私は嫌な予感しかしなかった。どうとでも取れる言葉を英磨君がどうとらえるか。

 英磨君は目を伏せたまま何も言わなかった。ただ、顔を上げたとき敵意のこもった眼で私を見ただけだ。

「もうええやろ。姉ちゃん」

 その言葉で久々津英真は英磨君の手首を放す。手首をさすりながら、

「行こおや」

 とだけ言った。車に乗り込むとき、もう一度、英磨君は湿った敵意で私を見た。

 

「興味本位で聞くんだけど」

 車内の沈黙に耐えかねて口を開く。

「やめときぃな」

 あくびを噛み殺しながら久々津英真が言う。

「好奇心猫を殺すっていうしな。あとは着いてからいろいろ教えるから。それより疲れたし眠いから寝るで」

 勝手なことを言って寝始めた。

 疲れたし、眠いのは私の方なのだが。

 ともあれ、久々津英真が寝てしまえば、少なくとも事故を起こす恐れは少なくなる、はずだ。

 改めて、横をちらりと見る。すでに久々津英真は寝息を立てていた。

 (狸寝入りかもしれない)寝顔さえ美しい。だが、見とれている場合ではないと、すぐに前を向き直る。今度、何か事故に結びつくようなことをすれば、久々津英真が止めても英磨君は私を殺すだろう。

 こうやって助手席で美女が寝ている光景は、傍から見れば相当幸運なはずなのに、何か奈落に落ちていくような不安感だけがある。

 反社会的勢力の根拠地、(要するに組事務所)に自ら赴いている、取り返しのつかなさとでもいえばいいのか。

 逃げようとしても逃げられまい。久々津英真がそうはさせないだろう。英磨君が言ったように、姉ちゃんはやると言ったらやるんや。

 結局、久々津英真は水主山に入る直前まで目を覚まさなかった。


「あんた、パン食うたやろ」

 目を覚ますなり、後部座席の袋をまさぐって久々津英真が言った。

 そのあと、何回かあった気まずい休憩の合間に少しつまんだことをとがめているらしい。

「しかも、メンチカツパン食うてるやん! あんパンも!」

「許してよ」

「まあ、ええけど」

 いいのか。

 水主山の狭い道を高級車が徐行しながら進む。早朝の漁を終え、道端の空き地でくつろいでいる漁師の一団が高級車を見るなり、立ち上がり会釈する。帽子をかぶっている人は帽子を取る。適当な会釈ではない。礼を尽くす会釈だった。その後ろを続く軽バンにも会釈を返してくる。私にではない。横で所在なげに窓の外を見る久々津英真に、だ。

 途中ですれ違う水主山の住民は、すべて足を止めて会釈をした。

 自分が何十年も前の世界にいる気分になる。お殿様と家臣。封建制という言葉が思い浮かぶ。

 町中を走って気づいたのは久々津姓の多さだった。珍しい苗字のはずだが、徐行しながら表札を見ただけでも、十軒は久々津の表札が掛かっていた。

 やがて、先導する高級車は屋敷の中に入っていった。それに倣って続く。

 屋敷は広大だが、前庭も広大だった。一角には乗ってきた高級車の他に5台以上、駐車できるガレージがある。ガレージの中にはさらに高級そうな車があと2台あった。

 そのガレージの一角に高級車が入っていった。高級車だらけのガレージにこのボロい軽バンを停めていいものかと思ったが、特に指示もないので、そのままガレージに入れた。

 私が車から降りるのを確認すると、大路さんが目線でついて来いと促す。

 久々津英真と英磨君は屋敷の表玄関から中に入っていく。表玄関には何人かの男がいる。久々津英真と英磨君を見ると直立不動になり、最敬礼で出迎える。

 私はふらふらだった。ろくに眠りもできずに長時間の運転で精も根も尽き果てていた。

 早く休みたかった。

 ぼんやりとした足取りで大路さんについていく。

 はたして、私は客人として扱われるのだろうか。そうであってくれればよいのだが。

 屋敷を迂回するようにして裏に回ると、いくつかの平屋のある区域に出た。

 どうやら、ここで大路さんのような人たちが日々生活しているのだろう。

 さらに大路さんに促されるまま、平屋の一軒に入る。

 ここが大路さんの住居のようだった。

 玄関を開けると三和土があり、上り口がある。遠慮しいしい部屋に上がる。

 キッチンとトイレ、風呂場、そして必要最低限の調度品しかない居間。

 手持無沙汰に立ち尽くしていると大路さんが声を掛ける。

「とりあえず、風呂にはいりなさい。そのあと少し休みなさい」

 あくまでも標準語で対応する。

「そのあと、ある人に会ってもらうから」

「網元という方ですか」

「あまりそういう風に先回りして詮索するのは良くない」

 穏やかだが怒気を含んだ言い方。

「すみません」

 しょせんは私は招かれざる客なのだ。後は黙って風呂に入って汗を流し、用意してあった寝間着に着替え、居間で少し休んだ。

 大路さんはどこかに行ったようだった。

 食事が用意されていたので、食べる。少し物足りなかったが、何か腹に入れられるのはありがたかった。

 しばらくすると、大路さんがやってきて、着替えを手渡してきた。

 大路さんの服なのだろうか。ワイシャツにスラックス。着替えてみると、私の背丈ではかなり大きかったが、ぜいたくは言えない。

「ありがとうございました」

「じゃあ、ついてきてくれるか」

「はい」

 ドラマに出てくるような広大な日本家屋の屋敷の縁側を歩く。磨きこまれた縁側は軋み音も立てない。縁側から望める手入れの行き届いている日本庭園がますます現実感を喪失させる。

 障子の前で大路さんが止まった。

 そのまま膝をつき、正座する。作法など何もわきまえない私もあわててそれに倣う。

「大路か?」

 障子の向こうから声がした。聞いたことのない年配らしき男の声。落ち着いた雰囲気がある。この声の主が網元様なのだろうか。

「お連れしました」

「おお、入っていただきなさい」

「では、失礼いたします」

 大路さんが障子を開ける。ほぼ、大路さんの真似をして部屋の中に入った。

 中には久々津英真と英磨君、それに先ほどの声の主がいた。

 正座して一礼してから座布団に座れと、大路さんに耳打ちされたのでその通りにしてから、座布団に正座する。

 障子から一番近いところが英磨君、その奥が久々津英真、そして私だった。後ろに大路さんが控える。

 座ると正面に床の間がある。床の間の前に布団が敷かれている。そこに声の主がいた。夏布団の上に座椅子を置いて体を起こしている。体が冷えるのか腰のあたりから、薄い掛布団がかけられていた。

 浴衣姿だが、怪我をしているのか胸元や袖は包帯が見える。そこから察するにかなりの範囲に包帯が巻かれているように思えた。

「布団の上から申し訳ない。遠路はるばるよくいらっしゃった。私は久津津家の当主代理というものをやっております、英修と申します」

 ああ、これは久々津英真と英磨君の父だ。と確信できるくらい目鼻立ちがそっくりだった。二人が四十台になったらこんな風な年の取り方をしているだろうと思わせる。

 美男美女の父はやはり美男なのだと、当たり前の感慨が沸き上がる。

 名乗られたからには、挨拶しないわけにはいかない。

 ぼそぼそと挨拶する。

「えいしんがお世話になっております」

 かしこまって礼をする。

 やはり、英真はえいしんと読むようだ。

 横の久々津英真をちらりと見る。入った時から思っていたが、黒いシャツを着ていない。こざっぱりとした半袖の白いシャツを着ている。

 背中の刺青が透けて見える。肘まである刺青も隠そうとしていない。

 ここは、その必要のない空間ということだろう。

「英真、どこまで話したんや?」

「まだ、何も」

 久々津英真は父親の前でかしこまっている。傍若無人にふるまっていた時の面影など微塵も見せない。

「なんも言うてへんのか。はあ、えらいこっちゃな」

 どことなくユーモラスな口調。

「ほんなら、どこまで見せたんや」

 右腕を突き出してみせる。半袖を左手で肩までまくる。軽バンの中で見た雷雲の刺青がある。

 ぐ、と久々津英真が奥歯をかみしめるのがわかった。

 腕の刺青に変化が起きた。雷雲がまるでコーヒーに入れられたミルクのように崩れる。崩れた刺青はやがて完全に彩がなくなり、肘から肩まである青い染みのようなものになった。

 それがまた変化し始めた。染みの中にぽつぽつと赤い部分が発生し、ところどころに渦巻く模様ができる。と思う間もなく、赤と黒のコントラストも鮮やかな黒く逆巻く渦に翻弄される櫻の花びらの刺青ができた。

 ここに私の他にそれを驚く者はいなかった。

「これをどう思います?」

 英修氏が聞いてくる。

「どうと、ですか? こうして、変化するのを最初から最後まで見るのは初めてですが、今見ても信じられないです」

「でしょうな。昔は私らのほかにも、よおけおったんですけどね。色々あって、今ではうちだけですわ」

 後継者の少なくなった伝統産業の経営者みたいなことを言う。

 英修氏の、こののんきな調子では案外大ごとにはならないのではと思った。

「ま、それはええんですわ。問題はあなたがこの子がしてきたことを色々見とるということでね。他人には見せたらアカンもんをね」

 英修氏がここで言葉を切る。私を見る。その眼には言い知れない圧がある。久々津英真といてたびたび感じたあの殺気をさらに濃厚にしたものが英修氏の目に宿る。私の体は無意識に震えた。

「場合によってはあなたはここから帰れません」

 沈黙だ。どうにも私が口を開かなければ何も進まない雰囲気だった。

「場合によってはということなら、どうすれば帰れるんでしょうか?」

 もっと、声が震えて哀れっぽい調子になると思ったが、意外にしっかり応答できた、と思う。

「もおちょいマシなこと言えや」

 ぽつりと英磨君がつぶやいた。やはり。ヘコむ。

「おい」

 久々津英真の小さな叱責。英磨君もさすがに黙った。

「他言無用はもちろんですけど、あなた、どこまで知る気あります?」

 静かに英修氏が聞く。少し考える。下手なことは言えない。もう手遅れかもしれないが、それでも最低限にとどめたい。

「今はこんなこじんまりとしたとこに住んでますけど、もとはW県の発祥でそっちにおった頃はブイブイ……」

「あの!」

 無理やり割り込む。どうやら、私の返答を待たずにかなりのところまで話すつもりのようだった。それは何としても避けたかった。

 英修氏が口をつぐむ。

 周囲から視線を感じた。右横の二人と後ろから。

 久々津英真も英磨君も大路さんも信じられないという目で私を見ている。

 三人にとっていや、この屋敷にいる者にとって英修氏は絶対的な存在らしい。その言葉や所作もすべてにおいて妨げることなど以ての外ということなのだろう。だから言葉尻に割り込んだ私を無言で咎めた。

「あきらめなさい」

 英修氏が言う。そして続ける。

「魏志倭人伝という書物は知ってますか?」

 いきなり、トップスピードで話が飛躍した。待ってくださいと言いたくなるが、寸前で飲み込む。魏志倭人伝?

 ともあれ、名前だけは知っている。卑弥呼がどうの金印がどうのという程度だが。戸惑いながらもうなずいた。

「あれの日本の男子を紹介する記事に『男子無大小 皆鯨面文身』という箇所があるんですが、知ってますか?」

 鯨面とは顔の刺青、文身とは体の刺青のことらしい。そっと大路さんが後ろから小声で教えてくれた。魏志倭人伝の書かれたのは西暦300年ころ。日本はそのころ、弥生時代。

 英修氏はできるだけかいつまんで話そうととしてくれているのだが、話のスケールが大きすぎてついていけなくなっている。

「正確には、魏志倭人伝の書かれた頃よりちょっと昔に、刺青様と私らが海の中で出会ったんです。その時に私らはしせいさまと契約したんですわ。鯨面文身っていう格好の習俗があったんで、それに擬態してもらってね」

 契約? しせいさま? 「刺青と書いて『しせい』と言うてんねん」とは隣の久々津英真の小声の独り言だ。ありがたかった。

「契約というと語弊がありますな。共生と言い換えましょう。刺青様は私らから精力をもらう。私らはいずれ命が尽きるまで刺青様に守ってもらう。命が尽きるなら次の共生関係になる者を用意する。そうやって千八百年間、連綿と刺青様と共生を続けてきたわけです」

 普通ならば与太話と話半分に聞くところだが、証拠が右隣りですました顔で座っている。聞くしかなかった。

「なんでそんなことがわかるんやという顔をされてますね。刺青様を受け継ぐと記憶をほんの少し共有できるんです。ご先祖さんで物好きが文書を残してますのでそっちを見てもらってもいいですよ」

 うなずくしかない。

「刺青様と共生すると、身体がごっつ強うなるんです。英真の力持ちなところはもうご覧になられたと思います。あとは刺青様のある場所なら、矢ぐらい跳ね返すとかね。これが大きかった」

 うなずく。

「これが随分と重宝されましたわ。有名なところだと鎌足さん、頼朝さん、円心さん、三好さん、松永さん、秀吉さん、家康さん、ただ信長さんとは仲が悪かったと聞いてます。あとは……。まあええか」

 歴史の記述されない部分で、関西あたりを中心に常人を寄せ付けない身体能力を使っていろいろと後ろ暗いことをしていたらしい。

「まあ、鉄砲が出てきてからですな。刀とか矢ぐらいなら跳ね返せるんですが、鉄砲の球はなかなか防ぐのが難しかった。あんときに随分、仲間がおらんようになってしまいました」

 見てきたように言う。刺青様の記憶を共有しているというなら不思議ではないが。

「それから色々あってW県からはおられんようになって、伝手を頼ってこっちに移ってきましてね。いまは漁と細々としたことをしながら生計を立ててますわ」

 英修氏の言う「色々」は相当、ヤバいことを指すのだろう。それなりの勢力であったはずの久々津一族が出ていかざるを得なかったような。

 あとは、刺青様が久々津一族とその郎党と邂逅してからの千数百年の記憶を(何度も言うが)本当に共有しているなら、生かしておきたい勢力と消してしまいたい勢力がいるはずだ。

 そのせめぎあいが、この猫の額ほどの土地に久々津の一族郎党を逼塞させることなのだろう。

 漁と「細々としたこと」ぐらいしかすることがないくらいに。

 そもそも千数百年、刺青様を使って命脈を保ってきたとしたら、日本でも有数の古い血脈を持っていることになる。それが何を意味するか。

 そんな考えに耽っていると、英修氏が口を開く。

「さて、あなたはどうしますか?」

 また英修氏に怖いものが宿る。

「まあ、信じんでもええんですよ。あなたが信じんでも、ね。私らはこれでやってきたし、これからもやっていきます」

「お父様」

 久々津英真が口を開いた。かしこまった感じ。お父様ときた。

「なんや、英真」

「今日はもうこれくらいにしませんか」

 いつの間にか障子の向こうの陽は陰り始めていた。

「少し考える時間を与えるべきかと。お加減も良くないようですし……」

 英修氏は座敷に差し込む夕日に背を向けているから、その顔色はうかがえないが、わずかに肩で息をしているのがわかる。英磨君が立ち上がりかける。その機先を制するように、

「大路さん」

 久々津英真に言われて、大路さんが英修氏の布団のそばまで身をかがめて近寄った。慣れた調子で座椅子を取り外して英修氏が横になるのをサポートする。

「あとは明日やな」

 心なしか息苦しそうに英修氏が言う。誰かに言い聞かせるような口調だった。

「ありがとうございます」

 久々津英真が座礼する。私も英磨君もそれにならう。

「いきましょか」

 久々津英真が左右を見て言う。ようやくこの場から離れることができる。

「英真」

 座敷を出る久々津英真に英修氏が声を掛ける。その声音は弱弱しく感じた。

「ほんまに、その人を相性がいいと思ったんやな」

 久々津英真は答えず、ただ優しくうなずいただけだった。

「そうか」

 もう英修氏は何も言わず、目をつむった。


「ま、色々聞いたけど」

 英修氏の座敷から遠ざかる途中、久々津英真が口を開いた。今は屋敷内のどこだろうか。古色蒼然としているが、どこを見てもほこりなどはなく隅々まで掃除の行き届いた屋敷の廊下を歩く。久々津英真を先頭に私、英磨君と続いている。

「話九分に聞いといて」

 どういう意味だろう。九割本当なら、ほぼ真実ではないのか。

「疲れたやろ。離れに寝床を用意させとくから今日はそこで休んで」

 背後の英磨君の視線を感じた。敵意がある視線。このまま、ここで休んでいいものだろうか。夜の闇に紛れて英磨君に刺殺されないだろうか。

「近くの町に泊まるわけにはいかないかな?」

「ヘタレ」

 間髪入れない久々津英真の言葉に英磨君の忍び笑いが背後で聞こえる。

「覚悟決めえな」

 姉ちゃんには逆らえない。

 この屋敷での宿泊が決定してしまった。

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