第二話 一緒にお風呂

「お腹も満腹になった事だし、お風呂入るかねぇ」


//SE 部屋を歩く音


//SE お風呂場のドアを開け中に入り、蛇口を捻って水を出す


「今日はなんの入浴剤にする〜? 薔薇とかオレンジとか森林浴とか他にも色々あるけぇ。え? 増やしたよ〜なんか楽しゅうなってから。癒されたり、美味しそうって思ったりするの大事じゃろ?」


//SE きゅこきゅこバスタブを掃除する音


「体があったまる成分が入っとるやつもあるし、休息は大事なんよ? 最大限やらんといけんじゃろぉ〜? よく考えるいい嫁だ?うんうん、もっとうて〜〜って、言っとらんってひっどー! よく言い当てたね、とかいうもんじゃろうがっ! っもぉ〜」//笑い声をもらしながら


//SE お湯で洗剤を流す音


「ん、これでよし! お湯がたまるまでリビングでくつろぎたーいむ」


//SE 廊下を歩く音


「それにしても今日は掃除するとこまでついてきて、なんかあったん??」


//SE 冷蔵庫からお茶を出す音

//SE 椅子をひいて座り、お茶をコップに注ぐ音


「うん、……うん。それで? ……………………そうかぁ、それは大変じゃったんじゃねぇ。理不尽過ぎん? それ。うちがおったらそりゃもうテッペンの毛むしれるだけむしって落武者にしとるところじゃわ。災難じゃったね」


//SE ぐびっとコップのお茶を飲む音


「明日、一日休むかね? え、いい?? そっか、でもあんまり無理せんとぉおってよ? 無理して心の病気になってわけわからんくなってうち置いてくとか、嫌じゃけんね? これ無理! てボーダーはちゃんと決めるんよ、んで、そこ越したらスパーと次行ってええんじゃけぇ。命あってのものだねじゃけね」


//SE ピロピロピンとお風呂がわきました、の音


「あ、お風呂わいたわ。え? 一緒に入る?? 今日はえらい目にあったんじゃし一人で入ってゆっくりした方が良くない? え、ポヨンポヨンのお腹が触りたい? 何を〜?! そっちのお腹じゃって大概お肉ついてきよろうがぁ〜!! こうしてやるっ、えい、わきか? ワキが弱いんか?! ふふふ、良いではないか良いではないかっ」


//SE こちょこちょしてる?音


「ふぅ〜、勝っ、た」//ニヤニヤした感じで


「まぁ、そういうなら一緒に入ろっか。足伸ばせんくなるけどええ? あ、足がごっつんこするのもいいし、膝の上に乗せた、い? 何言っとん! もう! 着替え用意してよ?!!」//照れた感じで


//SE 廊下を歩く音

//SE 洗面所のドアを開ける音


「ん? 何か違う感じがした? そうそう、バスタオル新調したんよ〜、なんと、聞いて驚けぃ? 有名産地バスタオルが、なななんと! ワンコインじゃったんよぉ〜、もう、買うしかないじゃろ。しかもさぁ、柄が可愛いんよ〜。見るだけで癒されるけぇ、実は……柄違い揃えて、シマイマシタ。ふふふ、そうじゃろそうじゃろ、買い物上手のい嫁じゃろ〜♪ うむ、褒めるが良い」


//SE 服を脱ぐ音とお風呂場のドアを開ける音


「入浴剤入れてよ〜。はい、かけ湯」


//SE お湯をかける音


「先湯船入ってよ? え? なんでかって、そ、そそそそりゃ、っ、気落ちしとるかなって、思ったけぇさっきの事したげよっかなって! って言わせんとってよね、ほら、さっさと湯につかる!!」


//SE 湯に順番に二人でつかる音


「重たく、ない? ってつぶける〜とか言わんでくれる?! もう!! その冗談だけは通用せんからね? 末代まで祟るけんね?! あ、そっか。うちの末代にもなるんかぁ……い、今はその行為はせんけんね!! のぼせるのやじゃもん。〜〜もう出るっ」


//SE ざばんと湯船から出る音


「ぇえ? 洗ってくれるのは嬉しいっちゃ嬉しいけどさぁ、その手つきどーなん? んもう、それ言われたらいいよしか言えんじゃろ〜、いいよ。来て?」


//SE ざばんと湯船から出る音


「ほんとはうちが洗いたかったんじゃけどなぁ。っん、ちょっとそこはだめってば!! 大人しく、汚れを落としてくださーい。背中はちょっと強めがいいなぁ。前は自分でやるけぇ。ってちょっと! んもう、だめって、ばっ」







「………………もぉ〜。好きにやったなぁ?! これはもう、髪の毛を丁寧にサロンの如くしてくれんと許せんなぁ?」//むくれた感じで


「コンディショナーまで、きちんとやるんよ? 髪長いんじゃけ、くるくるしたらいけんよ? 絡まるけんね。頭頂部から毛先、頭頂部から毛先、ってやるんよ〜。え、いつもこんなことやってるのかって? 当たり前じゃろ、それでも長い方がうちは好きじゃけん、苦じゃないし」//柔らかな声で


「短いとくせっ毛じゃけん、跳ね上げるんよね〜。あ、そこかゆい、いい感じ」


//SE シャワーでシャンプーを流す音


「長いと裏っ側とか流れにくいけん、確認よろ〜。あとは、コンディショナーじゃけど、適量取ったら、毛先五センチくらいに馴染ませてね。そうそう、上手」


「あとは少し放置〜、その間に、体洗おっか? え? またくすぐる気だろ? そんなんせんよ〜、お風呂場ですっ転んだら危ないじゃん。ちゃんと洗うってば」//手をわきわきさせながら


「けど、さっきのお返しはしちゃおかな〜、えいっ。いいとこはここかな? それともこのおまめさんかな?? 手篭めにしてやろうぞぉ〜。……あっ、ちょっとお肉ついちゃったねぇ、幸せ太りかなぁ? フフフフフフフ」


「ってちょ、あ、反撃はなしで!」







「……んぁっ。も〜、踊り子さんにはお触り厳禁なんじゃけぇね? 後で覚えときんさいよ〜」


//SE ざばんと体に湯をかけ泡を落としながら


「はい、次は髪の毛ね〜。ん〜、少しこの辺物悲しくなってきたかなぁ。……育毛剤、試してみる?」//少し心配そうに


「ん? うちはフサフサもつるりんちょもどっちも好きよ〜? あとはさ、自分がその姿を受け入れられるか無理かってだけかなって。そうじゃね、勿論その……子供が、おったらそりゃ、その子がどう思うかもちょっとは考えた方がええよね、うん。ただ、堂々としとったら、パパの事はそんな、ハゲたから嫌いとかそういうもんでもない気がするなぁ」


「あ、じゃあ目ぇつむっといてよ、お湯かけるけぇ」


//SE 頭に湯をかける音


「はーい、耳の裏も見せてね。うん、よかろうきれいきれい。さっぱりしたねぇ。え? もう一回一緒に湯船につかりたい? はいはい、もう、しょうがないなぁ」//くすくす笑いながら


//SE お湯につかる音


「……って、お尻に、何かあたっとるんじゃけど? んもう! 身が持たんし先上がるけん!」//照れた感じで


//SE ざばんと勢いよくお湯から出る音

//SE お風呂場のドアを開ける音


「……っ寝る前、なら……ええよ?」//SE 囁くような声で


//SE お風呂場のドアが閉まる音

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