第7話
今日は待ちに待った、水族館の日だ
今日のために沢山準備してきたから、成功させたいな
……やばい、緊張する、心臓飛び出そう……
待ち合わせ場所は最寄り駅の前で、今日は休日の為たくさんの人がいる
その中で、僕は1人佇んでる……言い方かっこよ
「ごめんお待たせ〜、待った?」
光は、白のシャツに薄茶のスカートを履いており、とても可愛い……とても可愛い!
え?どこかの女神様?それともお迎え?え?
「……ハッ!ううん、全然待ってないよ?全然」
危ない、光を放置するところだった、、、
「?そう?じゃあ行こ!楽しみにしてたんだ」
楽しみにしてもらえるなんて嬉しいな
出来たらずっと僕という存在を覚えてて欲しい、ちょっと重すぎる気もするけど
あっ、忘れてた!危ない危ない
「光、その服似合ってるよ。女神様かと思った」
「え!ありがとう!けど女神様は言い過ぎ笑」
「そんな事ないんだけどなぁ笑」
今はこうやって普通に話せているが、つい最近までチャットでは気まずい空気しか流れてなかった
理由はもちろん僕である
どうしても光の病気を気にして、普段通りの会話ができなくなっていた
光はそんなことを望んで言ったわけでもなかったから、嬉しくなかったんだろう
それに気づき、普段通りを意識して行動した結果、以前と近い形で接することができるようになった
「…今日は良い思い出になればいいなぁ」
「…そうだね、いい思い出にしようね。たくさん楽しもう」
そして僕たちの水族館デートが始まった
初めは深海魚の生物を見て周り、次にサメやジンベイザメなど大きい生物を眺め、昼食などを挟んでから、ヒトデやサンゴなどを見た
長らく行ってなかったから、どの場所も新鮮味があって楽しかった
頻繁にではなく、たまに行くのが丁度いいと思った
「颯斗!楽しかったね!やっぱりジンベイザメ大きかった!子供のときだからそう思った訳じゃなかったんだね!」
光が興奮してる、可愛い
この笑顔を守りたいな
「そうだね、ジンベイザメすっごい大きかった。水槽も大きすぎて水にかかる費用とか考えそうだった笑」
「それは考えちゃダメなやつ笑…あぁ、この時間が終わって欲しくないなぁ」
……それは僕も同じだよ
でもそれを言ったら止まらない自信があるから何も言えない
でもこの楽しかった時間を覚えてて欲しい
本音を言うなら、僕を忘れないで欲しい
「……あっ!あそこに撮影スポットって書いてある!光、写真撮ってこ!せっかくだし他の人に撮って貰ってさ!」
「あっホントだ。じゃあ撮ってもらう人探さなきゃだね」
ということはいいってことだよね?
よし、さっき目星をつけた人に聞いてみよう
「あの、すみません。写真撮って貰いたいんですけど、お願いしてもいいですか?」
誰に声掛けたのかって?
もちろん優しそうな老夫婦のお父様だが?
若者は怖いから無理(自分も若者であるが、考えないものとする)
「おお、いいよ。でもおじさん若者が望むようなものは撮れないよ?それでも大丈夫かい?」
「はい!全然大丈夫です!ありがとうございます」
やった!優しい人でよかった
光に報告しよ〜
「光〜、撮ってくださる方いたよ〜」
「あ、ありがとうございます!すぐに終わりますので、よろしくお願いいたします」
「いえいえ、ご丁寧にありがとう。若者が望むものは撮れないかもしれないが、頑張らせていただこうかな笑」
そうして、スマホでの写真の撮り方を簡単に教え、数枚撮ってもらった
「はい、これで大丈夫かな?確認して欲しいな」
僕はおじい様からスマホを渡されたので、写真を確認する
「わかりました…はい、大丈夫です!本当にありがとうございました!」
「奥様もお時間をいただいてすみません。ありがとうございました」
おばあ様の方にもお礼をしなきゃって思ってたら、光がちょうど言ってくれた
「あらら、このぐらい全然いいのよ?逆に昔を思い出させてくれて感謝しているの。どうもありがとう」
「確かに、昔は俺達もここでデートしてたなぁ。懐かしい。初心に帰る感じがするよ。ありがとう」
「えっ?あ、こちらこそありがとうございます」
なんか デート ってはっきり言われると恥ずかしい//
今までは自分の思いに蓋をしてたからあまり思ってなかったけど、もうそういう訳にもいかない
あ、光の顔を見たいけど見れないよ
自分の顔が赤くなってる自信がある
「あら?ふふふ、2人して初々しいわね。学生時代を思い出すわ」
「俺たちも周りから見たらこうだったりしてな笑」
は、恥ずかしいぃぃぃ!!!!
光の状態が分かったけど、自分の状態も分かられちゃった!!
嬉し恥ずかしよぉぉぉ!!!
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