第6話

「告白は嬉しい、ありがと。

…でも、私といると迷惑しか掛けないよ?いつ体調が悪化するかも分からないし。

あと、勘でしかないけど、多分今回の検査で何か引っかかった

…だから、ごめん。付き合うことはできない」


「…っ!? 迷惑なんて考えなくていい!勘だとしても、まだ決まった訳じゃない!だから…」


「颯斗、ごめんね。自分であんな文送っといて告白を断わるだなんて、悪い女だね。

あんな文打たなきゃ良かった。本当にごめんね」


なんで僕じゃなくて光が泣いてるんだ!

しかも、何がなんでも急すぎる!

僕はこんなの望んでなかった!

しかも光の気持ちが何処にもないじゃないか!


「僕はそんな言葉が聞きたくて告白したんじゃないよ!

光の気持ちは?僕の事なんとも思ってなかった?

僕は光にとって迷惑だった?」


今の僕は多分やらない方がいいことを言っているのだろう

でもっ!このまま終わるのは納得できない!


「……わ、私は、、、颯斗の事、、好き、だったよ」


「なら!」


「…ごめん、颯斗、もう帰ってくれるかな?」


「光、僕は!」


「帰って!」


「……分かった。ごめんな、辛い思いをさせて。でも、諦めるつもりもないから。じゃあね」


「……」


バタン


――――――



ほんっっっっとに、話が急すぎる!

しかも、どうしてまだ診断が来てないのに分かった気になっちゃうの!?


こんな事になるなら告白しなきゃ良かった

そしたら光と、今までと同じように過ごせたかもしれないのに

……いや違う、そんな事ない。

もし本当になにか診断されたら、光は何も言わずに僕を避け始めるだろう


今まで考えないようにしてたけど、光の勘ってよく当たるから怖いんだよ


はぁ、まぁなんにせよ、僕は絶対に光を諦めない

もう、光のいない人生なんて考えられないんだから……




―――翌朝


みんなに告白応援して貰ったのに、振られました って言うのきついなぁ

どうやって言えばいいんだろ


「お、颯斗!おはよっ!」


「…おはよー」


「…昨日失敗した?」


ばっちりバレてるし

「…うん」


「……これは俺が悪かったやつ?」


「違う。誰も悪くない」


これは本当に誰も悪くない。選択の結果こうなってしまっただけだ


「おっはよ〜、颯斗!」


「おはようございます、岡野くん」


あちゃ〜、彩華と姫嶋さんも来ちゃったか


「…あれ?空気が重い…やっちゃった?」


「……え?もしかして、、、」


これはもう全部言っちゃおうかな。ちょっと疲れた


「えっと、……断られました」


「「「……」」」


空気が、重い


「理由は、色々省くけど、光の勘です」


「「「……」」」


3人は光と交流がある為、よく光の勘が当たることを知っている

だから、3人はなんとも言えずに困惑しているのだ


「まぁ、今日は考える時間が欲しいかな」


「…あぁ」「う、うん」「は、はい」


「みんな、ごめんね、、、じゃ」


ちょっと今日は、授業受ける気にはなれないや

授業で当たらないことを祈ろう




―――放課後



結局何も考えがまとまらなかったな

光を手離したくないとしか思えない


もう言葉と行動で気持ちを表していこう



チリン♪



ん?通知?誰からだろう…




―――チャット


光:昨日の今日でやりにくいけど伝えておくね

あまり詳しくは言わないけど、重い病気にかか

っちゃった

しかもちょっと手遅れみたい


颯斗:え……そんなに手遅れなの?まだ解決方法は

あるよね?


光:あるとしたら遅らせるだけかな

だから、学校は退学することにした

残りの時間は自由に使いたいからね笑


颯斗:!?

そんな急に言われても理解できないよ!

僕はずっと光といたかっただけなのに!


光:そんなこと言われても、変えられないものは変

えられないよ


颯斗:じゃあ、2人で思い出巡り行こ?

これだけは譲れない

光の体調が比較的良い時に行こうよ


光:まぁ、それぐらいなら


颯斗:ほんと!?

ありがとう!(´▽`)


光:でも、私がもういいってなったら辞めるからね


颯斗:わかった

じゃあ最初は水族館行こうよ!

光はいつ行ける?


光:ちょっと聞いてくる



――――――




やっぱり光の勘はよく当たるんだな…


さっきは光と一緒にいたいと必死だったからあまり考えてなかったけど、いつか光は自分の前からいなくなってしまう

…そんなのは嫌だ! 光を失いたくない!



せめて光に許して貰えるまでは、光の傍にずっといたい


そして、光に楽しんでもらって、自分の心に刻もう



絶対に、自分の心からは光を失いたくない

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