第16話 初恋の話
俺には幼馴染みがいた。
名前は……プライバシーに関わるから言わない。
俺とそいつは小学校からの付き合いだった。
小学生の頃は2人でとにかく遊びまくった。
この頃は確か恋愛感情は抱いてなかった。
そして俺達は中学校に上がって互いに別々のクラスになり、疎遠な関係になっていた。
俺は高校に上がってもずっとこのままの関係なんだろうなって思ってた。
寂しい……そう思って初めて俺は自分がいつしか恋をしていたことに気付いたんだ。
中学校の卒業式、俺はもうあいつとは会えないんだ。って覚悟を決めた。
ところが、俺は少し偏差値の高い高校に行ったんだがそこにあいつがいたんだ。
俺は神様がチャンスをくれたんだ!と本気で思ったね。
俺はこの高校で、振られてもいいから絶対に告白しよう。と心に決めた。
そこからは……まぁ色々あって、結果的にまた、前みたいに仲良くなれたんだ。
「はい。これで俺の初恋の話は終わり!」
「おいおい、最後の方結局告白したかどうか分からないじゃないか!」
「いいじゃないか。俺は“中途半端”が嫌いでもなんでもないからな。」
「杜庵さんは速く元の世界に帰らないと幼馴染みさんが心配してますよ。」
「それだったらどれだけ嬉しいことか……」
「どういう意味です?」
「何でも無いよ。王様ゲーム続けるか?」
「そうだね~にゃん。」
『王様だ~れだ「にゃん」』
「あっ俺が王様だ。」
来た!俺に初恋の話をさせたことを後悔させてやる!
「僕まだ王様になれてないんだが……運ないな~」
「少し過激な命令にするぞ!」
「1番が3番に告白しろ!!」
この命令は王様ゲームで結構定番な命令だがそれはラブコメなどの現実じゃない世界での話だ。
これを現実でやれば……ふふふ!
「さぁ、1番と3番は誰だ?」
「あっ……僕が1番だ……本当にツイてないな……」
「じゃあ3番は誰だ?」
俺はあたりを見渡した。
明らかに顔を真っ赤にしてるやつがいる。
「瞳、お前が3番だな?」
「ヒャい!私がしゃんばんにゃん。」
(告白ってあの告白だよね。それを杜庵にされるの?ヤバい、溶けちゃうって)
「ふふっ私が3番じゃなかったのは残念ですがこれはこれで面白そうです。」
「俺は余裕そうだな。」
「告白ってあれだろ?あんなん余裕だって。こうやるんだろ?」
そう言うとそいつは瞳に壁ドンをした。
そこまでは言ってないんだが……
「好きだ……付き合ブハァ」
耐えられなくなったのか瞳はこっちの世界の俺をぶっ飛ばして帰っていった。
「お邪魔ひまひた〜」
王様ゲームはお開きになった。
過激過ぎたかな~と俺は1人反省会をするのだった。
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