第15話 王様ゲーム
「はぁ?」
俺達は素っ頓狂な声を出していた。
「王様ゲーム?それってなんだ?美味しいのか?」
ここに1人馬鹿がいま〜す。王様ゲームを食べ物だと思ってま〜す。
ゲームってついてるのに。
まさかこっちの世界の俺は王様ゲームの存在を知らなかったらしい。
「杜庵さんは王様ゲームを知らないんですか?じゃあ教えてあげます。王様ゲームというものは皆で一斉に割り箸を引いて王様って書いてたら王様が誰かになんでも命令出来るっていうものです。実際にやってみたほうがいいですよ!」
「本当になんでも命令出来るのか?」
「過激すぎるのは駄目ですよ。」
「じゃあやるか……瞳、いいよな。」
「うん。良いよ。楽しそうだし。」
「俺も良いぞ。」
「お前には聞いてない。」
こいつ……もう1度怪我人にしてやろうか?
そう言いそうになったのを俺はなんとか堪えた。
「じゃあ1回目!」
『王様だ~れだ!』
どうやらこの台詞はこっちの世界の俺でも知っていたらしい。
何故知っていたかは謎だが。
「あっ!1回目は私が王様です!皆さん割り箸に番号が書いてあると思いますが王様は番号を指定してその番号の割り箸を持っていた人に命令できます。まぁ最初なんで軽めに……3番の人は王様ゲームが終わるまで語尾ににゃんを付けて下さい。」
えっ……全然軽めじゃない!
俺は恐る恐る番号を見た。
良かった……番号は2だ。
俺が語尾ににゃんを付けてもただ単にキモいだけだからな。
じゃあ誰だ?
「僕は1番だったぞ。」
「私だ……にゃん。恥ずかしい……にゃん。」
「ふふっじゃあ次行きましょうか。」
神名は不敵な笑みをこぼしたあと言った。
こいつは悪魔だ。と俺は思った。
『王様だ~れだ「にゃん」』
「次は私が王様か……何にしようかにゃん。」
瞳が王様か……これならあまり過激な命令もないだろう。
しかももう語尾にゃん付けに慣れてる。
「じゃあ2番が初恋の話を皆に聞かせてにゃん。」
前言撤回、過激な命令だ。
頼む……俺はチラッと番号を見た。
何か丸みを帯びた線が見えた。
は!いや……3だよ多分まだ望みを捨てたら駄目だ。
さらに番号を見る。
1番下に直線がある。
終わった……
嘘でもつこうかな……
「その表情は……別世界の杜庵さんが2番でしたか。」
「聞かせてにゃん。」
「あっ因みに嘘ついたら……ころ……これ以上は言わなくても分かると思います。」
こいつ怖!嘘ついたら絶対殺されるじゃん。
でも分からないだろう。
いや……念のため本当の事を言っておくか……
「じゃあ言うぞ。」
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