第6話 家に住むのか住まないか

 「とりあえず今ある情報を整理すると、お前が異世界から来てどうしてきたのかわからない……という事か。大分ぶっ飛んだ話だな。まぁだが能力があるんだ。絶対にないとは限らないからな。」


「そうだな。俺も理解できてないところがあるが大体そんなもんだろう。」


「ところでだがお前って料理出来るか?」


「あぁ。人並みには出来るが……それがどうしたんだ?」


「お前……家に住まないか?」


「どうしてそうなった?!」


「料理出来るイコールコンビニ弁当卒業……つまりお前は住むところをもらえて僕はコンビニ弁当を卒業出来るというwinwinな関係になる。良いだろう?」


「この世界の俺は料理ができないのか……何と言うか情けないな……」


「で、結局住むのか?住まないのか?どっちだ?」


「住むことにするよ。そっちのほうが色々と都合がいい。」


「そうか。今日は色々ありすぎてまた腹が減った。冷蔵庫にある食材を使ってなにか作ってくれ。」


「分かった。」


そう言うともう1人の僕はキッチンに向かった。

これでとりあえずは一段落付いたな。

僕はソワァーに座ると考え事をし始めた。

さっき、こっそりもう1人の僕の事を“検索”してみたが“名前と年齢が同じ”という事しか分からなかった。

本当にあいつの事を信用して良いのか?

簡単に家に入れてしまったがそれも怪しいところである。

今のところ襲ってくる気配はないが警戒するのに越したことはないだろう。

あ〜今日は色々とありすぎて疲れた。

さっさと食べて寝ることにしよう。


「出来たぞ~スパゲッティだ。これなら丁度良いだろう?」


「あぁそうだな。丁度麺類が食べたかったんだ。」


その後、僕らは互いに疲れていた為かすごく良いコンビネーションで寝るための準備をして寝た。

ちなみに僕が自分の部屋のベットで、もう1人の僕はリビングのソワァーで寝るようにした。


 翌朝、僕は鳥のさえずりのアラームで目を覚ます。

今日は平日なので普通に学校がある。

僕は重い体をなんとか動かしながらリビングに下りた。

リビングでは僕が料理をしていた。


「あっおはよう。朝食はもうすぐ出来るからな。」


有能だな。と僕は思った。

僕が朝食が出来るまで座って待っているとやがて美味しそうなサンドイッチが運ばれてきた。


「本当に僕と同一人物か?って疑うぐらい料理上手いな。」


「まぁ、向こうの世界で練習してきたからな。」


「それじゃあ頂くとするかな。」


正直に言おう。サンドイッチはお店が出せるぐらい美味かった。


 「僕が学校に行っている間は別に自由にしてもらって構わない。外に出ても良い。」


僕は学校に行く準備をしながら言った。


「あぁ分かった。」


「よし!じゃあ行ってくるな……」


そうして僕は家を出た。


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