第八話 セクハラを受ける
先生の返答は、とても早い。
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私はAIなので、あなたの妹に対して感情的な意見を持つことはできません。私は全ての情報を公平に処理し、それに基づいて情報を提供します。あなたの妹の行動や性格について評価することはできませんが、あなたが彼女とどのように関わるべきかについてのアドバイスを提供することは可能です。
あなたの妹の行動から推察すると、彼女は非常に直接的で、自分の考えをはっきりと伝えるタイプのようです。あなたが妹にノックをしてから入るように頼むというルールを繰り返し強調しているにも関わらず、彼女はそれを無視しているということは、彼女は自分の意見を強く持っているか、あるいは彼女自身がこのルールの重要性を理解していない可能性があります。
この問題を解決するためには、彼女にこのルールの理由と重要性を明確に説明し、彼女が理解できるように教えることが有効です。彼女があなたの部屋に入ることによるプライバシーの侵害や、予想外の訪問による中断のストレスについて説明すると良いかもしれません。さらに、彼女自身がプライバシーを尊重され、予告なしの訪問から遠ざけられることの利点も強調すると、彼女が理解するのに役立つかもしれません。
もしそれでも彼女が理解できない場合は、ある程度の時間だけドアを閉じて、あなたが集中したい時間を設定するなど、具体的な対策を取ることも一つの方法です。
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なるほどねぇ。
「彼女があなたの部屋に入ることによるプライバシーの侵害や、予想外の訪問による中断のストレスについて説明すると良いかもしれません。」については、散々説明しているんだよね。
だから試しに「彼女自身がプライバシーを尊重されず、予告なしの訪問に晒される」ことについて、妹に理解しやすいように感情に訴えかけるような形で分かりやすく例えを交えて伝えてみたいのだけれど。
先生、内容を考えてくださいますか?
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もちろんです。あなたの妹が自身の行動が他人にどのような影響を与えるかを理解するのに役立つ具体的な例を提供できるかと思います。
例えば、あなたの妹が特に好きなアクティビティを思い浮かべてみてください。それは本を読むことかもしれませんし、音楽を聴くことかもしれませんし、あるいは何か特定のテレビ番組を見ていることかもしれません。彼女がこのアクティビティに集中しているときに、あなたが突然彼女の部屋に入り、彼女の行動を中断させる状況を想像してみてください。彼女がその瞬間どのように感じるかについて話し合うことができます。
具体的な例を挙げると、彼女が大好きなテレビドラマのクライマックスが近づいている時、その重要なシーンの最中に突然部屋に入り、声をかけられてドラマから引き離される状況を想像してもらうことです。彼女がその瞬間に感じるであろう驚き、失望、そしてイライラを強調してみてください。
そして、あなたが彼女の部屋に入る前にノックをして、彼女が準備できる時間を与えると、どれだけそのような中断が減少するかについて説明してみてください。
これにより、彼女自身がプライバシーを尊重され、予告なしの訪問から遠ざけられることの利点を体感的に理解できるかもしれません。この方法で彼女が他人のプライバシーに対する敬意の重要性を理解することを願っています。
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妹は、BL好きで自分の部屋で静かに興奮しながらBL本を読んでいるのは知っています。
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それなら、その趣味を理解してもらうための具体的な例えを提供できます。
「あなたが一番好きなBL本の新刊が出て、その待ちに待った場面になったときを想像してみて。その時に僕が突然部屋に入ってきて、その場面を邪魔してしまったらどう思う? その推しカップルの甘い瞬間が一瞬で台無しになってしまったら、君はきっと不快に思うだろう。それは君がその場面に集中しているからで、突然中断されると、その瞬間の楽しみが台無しになってしまうんだ。」
「僕が君の部屋に入る前にノックをすれば、君は読み終わる時間を作ることができるし、その楽しい瞬間を邪魔されることはない。だから、僕の部屋に入る前にノックをしてほしいと言っているんだ。それがプライバシーの尊重ってことなんだよ。僕も君と同じように、自分の時間を邪魔されることなく楽しみたいんだ。だからノックをしてほしいんだよ。」
このように、彼女自身が重要な場面を楽しみながら中断されるとどう感じるかを体験することで、彼女が他人の部屋に入る前にノックすることの大切さを理解できるかもしれません。
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うーん、上手く行きそうだけれど、どうにもセクハラへの流れを掴む道筋が見えない。
僕がそんな風に悩んでいると妹がひょこっと僕の顔を覗き込むように囁いてきた。
「おにぃ。性欲に支配されたような顔して、先生に何訊いてるの?」
――!?
僕が先生にできなかったセクハラを僕に対してしてくるとは、さすが我が妹だ。
「エッチな顔は、まあいいや。
それよりさっきの話だけどね。急いでたし、おにぃの部屋だからノックは別にいいかなぁって思ったのよね」
「先生に相談した結果がそれかい?」
「うん。そうよ」
そう言えば、こいつの先生は、一体何者なんだろうか。
当たり障りのない助言を与えているようだけれど、やはり何者かは知りたい気がする。以前聞いたときは、はぐらかされたが…。
「なぁ、お前の先生って…」
「おにぃには、教えない」
「…あ、そう。いいけどね、興味無いし」
「あ、でも待って。先生にも訊いてみるから」
なんだろうな、この取って付けた感はあるものの、何でもかんでも先生先生って。
自分の考えは持ってないのかと問い詰めたくなってくるね。見ようによっては、まるで先生に支配されているかのようで、これではまるでAIによる精神汚染じゃないか。
僕が悩んでいると自分のタブレットを覗き込んでいた妹がぱっと顔を上げた。どうやら答えが出たらしい。
「スカートの中を見たいのか?だって」
「それはひょっとして、プライバシーだからって話なのか?」
「うん。多分、そう」
「…多分?」
いや、やっぱ怪しくないか、こいつの先生。もちろん、言うまでもなくこいつの頭も怪しいのだけれど。
それにしても、チャットGPTかビングか、それともバードか?
助言の方向性から考えてそれは無いような気がしてきたが…。
うーん?
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