神誓王国侵攻編② 王宮の守人と黒焔の修羅
「今現在、パリキス第四王女のご遺体はサランディード・アルグ・メルテシオン第二王子が城内に運び込んだと目されているが、どうやら幽冥神の城内神殿に運び込んだきらいがある」
「……はあ?」
間の抜けたヴェイルの一言に、アズマリアの鋭い視線が向く。
生きた心地がしないので、ヴェイルは取りあえず訳の分からない事を言われても、ノーリアクションで乗り切る事を決意した。
新人の彼にはメルテシオン城内や暗黙のルールなど知らないことが多すぎる。
幽冥神とはメルテシオンが信仰する十二の神の内の一柱であり、王城の地下一階には時計のように十二の神殿が内在している。
地下フロアはそれぞれ十二分割されており、そこは宗教ごとの治外法権のように独立した区画となっていた。
各神殿に入るにはそれぞれの神を崇める司祭以上の許可が必要であり、許可が無ければ例え王宮近衛騎士団であろうが、天翼騎士団であろうが立ち入りは許可されない。
唯一素通りが可能なのはメルテシオン王家の人間だけである。
冥闢のダークブレイズ 星住 @hoshizumi
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