またね
勝利だギューちゃん
第1話
「やあ」
眼の前で、女の子が手を振っている。
塀の上に腰掛けている。
ものすごいミニスカートだ
「見せパンだから大丈夫」
「そういう問題では・・・で、」
「何?」
「君は、だれ?」
女の子はきょとんとしている。
「もしかして、忘れたの?」
「初対面です。だれかと勘違いしているのでは?」
「してないよ。君は五十嵐功暁くん。18歳。双子座の0型。
両親と弟がいて、弟との仲は険悪・・・」
「わかった。もういい大正解だ」
「よかった」
女の子は微笑んでいる。
「で、君はだれ?」
「忘れたの?18年前に会ったじゃない」
こら。
「私は、天使。天使のジェル」
「エンゼルだからジェルね」
「ピンポーン」
女の子は笑うが・・・
「天使なのに、わっかも羽もないんだね」
「漫画の見過ぎだよ。天使はそんなにかわいくない」
だろうな・・・
「で、何の用?手短に頼む」
「迎えに来たの」
「誰を?」
「君を」
「なんで?」
「天使が来るっていったら、ひとつでしょう?」
お迎えか・・・
早かったな。
「わかったよ。で、僕の命はどのくらい?」
「何言ってるの?功暁くん」
「天使の君が来たという事は、死ぬんだろう?そのお迎えだろう」
ジェルと名乗る少女はきょとんとしている。
「何言ってるの?天使が来る目的って言ったら、地上見物しかないじゃない」
「違うだろう!お迎えじゃないのか?」
「それは、死神の仕事だから。私は違う」
「では何の仕事だ?」
「死神とは逆。生を与える仕事。私は君に18年前に生を与えんだけど、忘れたんだね」
覚えてたら、化け物だ。
「で、僕にどうしろと?」
「休みの間。付き合って。久しぶりの休日なので、こっちでのんびりしてたくて」
くだらない。
「天使の休みは短いからね。時間の無駄はできないわ」
「休みの言うのはどのくらいだ」
「私たちの世界では一日」
「短いな」
「こっちの世界の時間に直したら、100年かな」
こら。
人間がそんなに生きられるか。
追い返してやろう。
こんなのに構っているほど、人生に余裕はないのだ。
「大丈夫だよ。今日はご挨拶。ひとりで楽しむから、またね」
「ああ」
去って行った。
翼は無くても飛べるんだな。
なんだったんだろう?
翌日
「功暁くん、久しぶりだね」
「昨日会った」
「退屈だから、案内して・・・」
またね 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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