第10話 ぽたぽた
今日もまた一日中雨だった。傘の先からぽたぽたと垂れた雫が床に縞模様を作っているのを見ながら、礼央はぼんやりと予備校帰りの電車に揺られていた。
今週末には模試がある。昨年も受けてきたのだし今更緊張というほどのものではないが、礼央にとっては入試以来の、テストという形で実力を測る機会だった。夏までの通常講習も受けてきたのだし、少しは良い点数を取れるだろうか。
それにしても、なんだか疲れた。一日雨だったからだろうか、頭が重い。低気圧で体調が悪くなる、いわゆる気象病といったものとは縁がないと思っていたが、今日はそういうわけにもいかないようだった。幸いそこまで混雑する路線ではなく、席には座れている。家の最寄り駅に着くにはまだ時間があることを確認して、礼央は目を瞑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます