Day18「占い」

「今日、俺の星座ブービーでさあ」


 同期の彼が講義室の机に突っ伏している。

 内容は知らないが、朝番組の星座占いが当たったらしい。


「ちなみにお前はドベな、ドベ」

「何だよドベって」

「最下位ってこと」

「はあ」


 最下位はどうでもいいが、何でこいつ俺の星座なんて知ってるんだ。


 気味の悪さにデコピンしてやろうかと思ったら。


「『大切なものを見失う』とか言ってたぞ」

「!」


 しまった。こいつに構っている場合ではなかった。


 気付いたときには手遅れで、定位置である席に彼女はもういなかった。

 ただ彼女の友人がざまあと笑いながらヒラヒラ手を振っているのみ。


 逃げられた。


「ほら見ろ当たった」


 突っ伏したままの彼の脳天に今度こそ一撃を入れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る