第263話 オルガふたたび
オレは約束の日にオルガを連れてモトコーに店を構えるオタククラフツマンマツウラの店に行った。
「こんにちは、マツウラさん、オルガを連れて来ました。」
「いらっしゃい、じゃあ早速作業に入ろうか、登録はもう済ませてある、これでこの子が誰かに捕獲されても所有権を対抗できる、あとはリモートID発信機を取り付けるだけだ。事前に連絡した例の件はokでよかったよな。」
例の件とは事前にマツウラさんから連絡をもらった2件だ。
一つめは、なんでもオルガの内部構造が精密すぎて胎内に発信機を仕込むスペースがないらしい、そこでバストの部分片方に発信機、片方に高性能発信アンテナを仕込むことで解決するわけだ。
要はオルガのバストアップとなるということ。AカップからCカップなので特別巨乳というわけでもない。動作や飛行にさほど影響しないということで俺は了承した。
もう一件は例の一本ツノだ。
バストに高性能アンテナを仕込むことが
できればツノは取り外しても問題ないとのこと。念の為髪留め型外部アンテナといざという時に髪の中から展開できる羽飾り型の補助アンテナを設置することでほぼ問題ないようだ。ツノの穴は塞ぎ、人工の有機皮膚で覆うことで見た目も綺麗になるらしい。
少し大手術にはなるが俺は予算を用意して依頼することにしたのだ。
「はい、よろしくお願いします。オルガ、作業台に。」
「イエス、アオイ。ワタシちょっと大人っぽくなるのかしら、楽しみだわ。」
「そうだね、洋服も新調したし作業が終わったら街でデートしよう。」
「嬉しい!アオイ。」
オルガはオレの頬にキスすると軽快な羽音をさせてクラフツマンマツウラの作業台に飛び仰向けに寝転がってスリープモードに入った。
「それではオルガをよろしくお願いします。」
「ああ、任せておけ、時間は3時間くらいか、改造が終わったら連絡する、三ノ宮でもブラブラしておいてくれ。」
そういうとクラフツマンマツウラはオルガの服を脱がして身体全面のメタルボディーを外しにかかった。
オレはモトコーの中をブラブラ見ながら歩き、とりあえず三ノ宮に向かって歩いた。
「オルガの所有権がオレのものになったならみんなにオルガを紹介してもいいかな、ツノも無くなるなら不気味さも無くなるだろうし。マツウラさん、オルガの服もいくつか用意してくれるって言ってたな、お披露目用に可愛いやつだといいなあ。」
オレはニヤニヤしながら独り言を喋っていたらしい、周りの人に思いっきり避けられていたようだ。危ない中坊だと思われたのかもしれないな。
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