第252話 踊る大捜査網
翌朝、海斗空斗の失踪の報告を受けた俺は最後に二人が目撃されたという大久保駅周辺を中心に聞き込みと情報収集をはかる大捜査網を張る大号令をかけた。
「部長、海斗空斗のスマホや発信機は通信が途絶してますから取り上げられているようです、これはおそらくプロの仕業ですわ。」
エマさんが状況報告をしてくれる。
いつもは俺はエア部長なのだが、今朝からずいぶんと扱いが違う。
うーん、これはミステリーだ。
「とにかくメンバー全員で街中での聞き込みをやってくれ、プロならあまり時間はない。何か情報があったらすぐに共有するんだ。」
「俺は『海辺』を当たってみる、なぜかそんな気がするんだ。」
「イエス!ボス!お気をつけて」
エマさんが俺に敬礼したら答える。
本当にどうしちまったんだ。
俺は大久保駅前のイオンの駐機場で客待ちしていたスカイアークタクシーに飛び乗り、海岸線へと向かった。
「オルガ!ドローンモード変形。明石原人遺跡までの区間、もし野良GSIがいたら捕捉してくれ、全部の映像を回すんだ。」
「イエス!ユアハイネス。」
「オルガ、そのユアハイネスは大袈裟だから、俺のことは『アオイ』でいい、友達、いや一心同体だしな。」
「イエス!アオイ。」
オルガは俺の手のひらに乗ると背中の小さなハッチを開放し収納していたガラス羽根をゆっくり展開する、まるで折った折り鶴を展開するように。
美しく虹色に輝く半透明の羽を展開し終わるとオルガはハチドリのような軽快な振動音とともに空中に飛び上がった。
****
その頃、
やはり、というか美味しいものを探して何店か物色していたようだ。
そしてその後連絡が途絶えたのだ。
陰の情報屋からはイオンから南に向かって歩く二人の情報が得られた。
やはり二人は何か有力情報を見つけたのだろう。
****
「アオイ、半径1000メートル以内で捕捉した35機の野良GSIを支配下に置きました、映像、共有します。」
俺の脳内では35のマルチタスクが活動し、全てのGSIの画像を監視できている。
「この中で何か手掛かりが見つかれば。」
そのうちに俺の乗ったスカイアークが明石原人遺跡に着陸した。
俺が飛び降りるとまた大久保駅前イオン屋上に帰っていった。
「海か、、」
俺なら人間二人拉致したらどうするか。
スマートペンを取り出してエマさんに連絡する。
「エマさん!申し訳ないが陸斗さんにお願いして明石原人遺跡の海岸線沖に何隻か回してもらうよう手配してもらえないか、30分以内に。」
「わかったわ、すぐ手配してもらう。私たちも海岸線に集まったほうがいいのかしら?」
「ああ、できるだけ早く明石原人遺跡の西にある自動車解体工場跡地に来てくれ。」
俺はエマさんに指示を出しているまさにその最中に最寄りの野良GSIが海斗空斗を発見したのてある。
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