第243話 捜査開始
仕方ないので官舎でゴロゴロしながら供与された拳銃をニヤニヤしながら眺めていた。
サバゲー、と称した戦闘訓練で使用したものと同じ
こうしている間にもミス研のLINE Worksにどんどん活動結果が共有されてくる。
さすがにゴロゴロしてたらまずいな。
とりあえず官舎を出ていつものズルをすることにした。
例のじいちゃんの漁師小屋の地下に隠されたヤバい設備である。
ほんの5分ほどで浜辺に着いた。
じいちゃんは今日もいない。
まあどこかでフラフラ遊び歩いてるんだろうな。
「おお〜今日はまたウヨウヨいるな。」
壁を埋め尽くすモニターには明石市の各所のモニター画像がリアルタイムで映し出されている。
これは全て近距離に潜む野良GSI(グローバルサーチャーインセクト、昆虫型自律軍事用スパイカメラ)の垂れ流すライブ画像だ。
飲食店の裏や駅の中、通気口や下水道、岩場の陰、ドローンタクシーにでもへばりついているのか空を飛ぶ画像、一般家庭の部屋の中までライブ配信されている。
こんなものが家に入り込んでたらプライバシーも何もないな。
そのモニターの一つに見覚えのある顔が映った。
「陽葵さん」
長いテーブルの端で食事をする陽葵さんが映っている。
なんだか気まずいことになってしまった。
GSIはどうやら大胆にもテーブルの上に這い上がったようだ。
陽葵さんはこちらを一瞥してそのまま食事を続けた。
(入浴中とかでなくてよかった)
「おいバカGSI!さっさと外へ出ろ!」
言うことを聞くはずもないのだが俺は叫んでしまった。
俺の声、に反応したわけでもないのだろうが、GSIが突然180度向きを変えた。
執事の
狭洲さんは目にも止まらぬ速さで懐から銀のフォークを取り出してこちらに投げつけた。
思わず俺は両手でガードしてしまったが、モニターに機能停止の表示が出て砂嵐になるとまた別のGSIカメラ画像に切り替わった。
俺もフォーク投げには多少自信があったのだが、神技に等しいフォーク攻撃に完全に敗北してしまった気がした。
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