第3話 行動 ~小さいことからコツコツと〜

いよいよ本日は研究室の顔合わせです。


教室に集められた男女28人が先生を囲むようにして顔を合わせます。


さてさて私のお眼鏡にかなうのはどこのどいつだ〜い。


そしてある男子生徒に目を奪われます。


お前だよ! 心のにしおかすみこもびっくり!


あなた北海道で金を探してはいませんでしたか!


私は彼の逞しい肉体に一目惚れしたのです。


さてさてお相手も見つかったことだし、次にやることは顔見知りになることです。私はその方法を知っています。





それは!






挨拶です!!!




令和の恋愛テクニックがでると思いましたか?

あたりまえじゃないですか、彼は一際大きくて目を引く存在。まして私は茶髪で髪を下ろし、なんか大学生ってみんな同じ格好してるよねの1人なのですから。有名人と陰で応援する一般人みたいな よくある設定ですよ。なのでまずは彼に認知してもらわなきゃいけないのです。


挨拶の重要性が分かったところで、週に一回しかない授業で成果を出すためトレーニングを始めます。


脳内シュミレーションで挨拶の練習です。おはよ!ですよ みなさん。


通学時間を使っておはよ!の練習。

これが意中の男性を振り向かせるテクニックですからね!


そして授業の日

教室へ向かうと廊下に彼の姿がありました。


えっ!待って!日頃の行いが良いとはいえ!こんなにも早く!練習の成果を!披露しろと!?!? とりあえず手前のトイレへGO



大丈夫です。私幼い頃から発表会とかよくやっていましたよ。お友達からは緊張しないのー?ってよく聞かれてました。 私 緊張しない




わけないじゃん!


いつも緊張しいで発表会後、舞台上での記憶いつもないからね!半分幽体離脱してるからね!



まあでも挨拶練習いっぱいしましたし?できるんじゃないでしょうか。


覚悟を決め、彼の方へ向かいます。




「鍵あいてないのー?」

「うん あいてない」

「そっかー」



挨拶どこいったんや


でも!褒めて欲しい!状況に合ったことを瞬時に言えてる!凄いわ!もう両の腕で私を抱きしめたい!


よし!じゃあ先生が来るまで楽しいお話しちゃいましょか!



その後は期待も虚しく沈黙が流れるだけでした。

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自論ですが 鳥間たかし @torima_takashi

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