🍓【ロリ巨乳の幼馴染み彼女が異世界からやって来たイケメン勇者に寝取られたと思ったら、実はイケメン勇者が男装した美少女で、しかも10年前に生き別れた血の繋がっていない妹だった話】
35話:攻略 ~ いくら好感度を上げたところで ~
35話:攻略 ~ いくら好感度を上げたところで ~
モーターホームからログハウスへの移動は、ワープでもしない限り一度は「外」へ出ることになる。
そこで改めて問題となるのは、“あの雪雲が一体誰の頭上にあるのか”ということ。
「『第一回:雪雲チャレンジ』を行うのだ!!」
「「「……雪雲チャレンジ?」」」
初耳の言葉に皆が首を傾げるのも当然。
発言者であるダークエルフの少女:エリスはエッヘンと腕組みをし、それから雪雲チャレンジの概要を皆に説明。
それらを軽くまとめると、
「――要するに、モーターホームからログハウスまで順番に移動して、“誰に雪雲がくっ付いて来るのか確かめよう”って訳か」
「その通りなのだ。アカバネアヤトにしては理解が早いな」
「それは褒めてんのか? それとも貶してんのか?」
「ふんッ、好きに受け取るがいい。ちなみにアタシの見立てでは、アカバネアヤトに雪雲がくっ付いて来る筈なのだ」
「えっ、もしそうだった場合……
心配そうな顔で問われたその台詞に、エリスは「ふふんッ」と鼻を高くする。
「そうなったら、アカバネアヤトはログハウスに入れてやらないのだ!! このモーターホームで明日までお留守番なのだ!!」
「おい、何でそうなるんだよ。俺だってログハウスに泊まってみたいのに」
「駄目なのだ。アカバネアヤトが来たら雪が降って寒くなるのだ。温泉も冷え冷えになるのだ」
「いやいや、雪が降ったくらいじゃ温泉は冷めないだろ。それにログハウスは屋根もあるんだし、エアコン付ければ寒くないって」
「ふんッ、見苦しいぞアカバネアヤト。無駄な抵抗は辞めて、己に降りかかった惨めな運命を受け入れるのだ。それに元々、この合宿はアタシとウイ
「ヒドイ言われ様だ……なぁ
当然ながら「助け」を求めて彼女を見た訳だが、ここで
「まぁまぁ、エリス落ち着いて。まだ
「ですがウイ
「かもしれないけど、そうじゃないかも知れないでしょ? とりあえず状況を見極める為にも雪雲チャレンジをやってみようよ」
という訳で。
雪雲チャレンジを行った結果――。
ログハウスの玄関前に居るのは、
彼等の頭上に雪雲は無く、雪雲はエリス1人が残ったモーターホームの上空に浮かんでいた。
この事実を受け、世話係:ビクトリアが淡々とした口調で告げる。
「――つまり、エリスお嬢様をモーターホームに残して、我々はログハウスでのんびり
「まっ、待つのだビクトリアッ、まだ雪雲がアタシにくっ付いていると決まった訳ではない!! このモーターホームのくっ付いて来ている可能性もあるのだ!!」
「なるほど……確かにその可能性もゼロではありませんね。それではエリスお嬢様、走ってこちらに来て下さい。それで雪雲がモーターホームに残っていれば、エリスお嬢様も晴れてログハウスに泊まれますので」
「わ、わかったのだ……」
緊張と共に喉を鳴らし、意を決したエリスが走り出す――その結果。
トトトッと走って来たエリスを追いかける様に、見事に頭上の雪雲が移動。
「……ぐすんッ」
エリス涙目。
流石にコレで彼女を仲間外れにするのは可哀そうなので、結局は全員でログハウスに入ることにした。
■
~ ログハウス:リビングスペースにて ~
初めて中に入った人が最初に見るポイントは人それぞれだろうが、「ログハウス」と述べている以上“丸太で組まれた自然で無骨な感じの壁”は、ログハウスがログハウスたる所以。
吹き抜けの高い天井からはシーリングファンが吊られており、それだけで優雅な雰囲気を感じてしまうのは、
加えて、大きなガラス戸から段差無しで繋がるテラス席は「オーシャンビュー」となっており、遮るものの無い水平線の見える景色が、非日常の開放的な空間を演出してくれている。
「おぉ~、やっぱ景色が良いな。何の木か知らないけど良い匂いもするし、これぞログハウスって感じだ」
食材の入ったクーラーボックスを床に置き、
これに反応したのは幼馴染み彼女の
「ねぇねぇ
「ん? あぁ、言われてみれば確かに似てるな。まぁあの時行ったのは全然違う場所だし、ログハウスの雰囲気は大体どこも似てる気がするけど」
「うん。それはそうなんだけど……でもほら、『少年自然の家』って聞いて思い出すことない?」
「思い出すこと? ――あぁ、アレか。山のサイクリング中に
「そ、それは思い出さなくてもいい記憶だよッ!!」
ログハウスでテンションが上がったか。
和気あいあいと昔話に花を咲かせた二人の横で、思い出を共有できず、会話に混じれない
そんな表情を見逃すことなく、エリスがグイっと
「ウイ
「えぇ、勿論そのつもりでしたが……しかし如何いたしましょう?」
「む、如何するとは?」
「元々お昼はテラスで“焼きそばとタコ焼き”、夜は浜辺で“バーベキュー”の予定でしたが、ご存じの通りお嬢様の周囲は雪が降ります。真冬とは言わないまでも気温は下がりますし、外に出るのは少々辛い状況かと。お嬢様抜きでやっても構いませんか?」
「か、構うに決まってるのだ!! アタシを仲間外れにするのは良くないッ、普通にキッチンで作るのだ!!」
「かしこまりました。では今しばらくお待ちください」
ビクトリアが軽く礼をして、食材の入ったクーラーを持ち上げる――その前に。
「俺が持ってくよ」と
途端、ビクトリアが警戒の視線を向けた。
「急にどうしたんですか? いくら好感度を上げたところで、私は
「いやいや、普通に手伝おうと思っただけだから。攻略とか言うの辞めてくれ……」
「ふむ……貴方はロリコンだと思っていたのですが、もしかして年上好きですか? 残念ですが、欲情するならエリスお嬢様だけにしておいてください」
「おいッ、何でアタシの名前が出るのだ!?」とご立腹なエリスの前で。
「いやぁ~、流石に子供で欲情しないブホッ!?」
二人の体格差を考慮しても中々の一撃が見事に決まり、その場に
やれやれと肩を竦めた
――――――――――――――――
*あとがき
続きに期待と思って頂けたら、本作の「フォロー」や「☆☆☆評価」を宜しくお願いします。
お時間ある方は筆者別作品「■黒ヘビ(ダークファンタジー*挿絵あり)/🦊1000階旅館(ほのぼの日常*挿絵あり)/🌏異世界アップデート(純愛物*挿絵あり)」も是非。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます