🍓【ロリ巨乳の幼馴染み彼女が異世界からやって来たイケメン勇者に寝取られたと思ったら、実はイケメン勇者が男装した美少女で、しかも10年前に生き別れた血の繋がっていない妹だった話】
28話:顔色 ~ 愛の告白であれば受け付けていませんよ ~
28話:顔色 ~ 愛の告白であれば受け付けていませんよ ~
「おぉ~ッ、何かワクワクするのだ!!」
異世界から来たダークエルフの少女にとって、サービスエリアに限らず地球の文化は目新しく映るのだろう。
入口付近には様々な土産物や地元の名産品が並んでおり、奥の方にはレストランやカフェ/パン屋の店舗と共に結構広めのフードコート。
昼食選び放題と言っても過言ではない状況に、エリスのみならず自然と
「おいエリス、一回グルっと一周してから昼飯決めようぜ」
「むむっ、アカバネアヤトのくせに良い提案をするじゃないか。いいだろう、その案に乗ってやるのだ」
そもそもここに至るまでも、様々な香りで誘惑する「屋台群」を突破して来た
昼食への期待が2倍にも3倍にも膨らんでいる状態であり、
その光景を微笑ましく見守っていた
理由は他でもない、
「あ、ボクはちょっとトイレ行って来るよ」
「え?
「そりゃまぁ、行くなら男子トイレだね。明日になるまで今の状態は解けないし、
「それはそうなんだけど……」
「あー、うん。
その上で、サラッとトイレに行って来れば誤魔化せるかとも思ったが、それを許してくれる
となると、解決出来得る手段は自ずと限られてくる。
「
「う、うん。まぁ一応は……でも、私が男子トイレに入る訳にはいかないし」
「だね。当然サービスエリアには“多目的トイレ”もあるけど、中身はともかく、外見上は男女であるボク等が二人で入る訳にもいかない。――そういう訳でビクトリアさん、車のキーを貸して貰えるとありがたいんだけど」
公共施設のトイレが使えないとなれば、残る希望は“前例”がある『走る豪邸』ことモーターホームだけ。
「
「いや、流石にそれはどうかと……動画を撮ってどうするの?」
「そうですね。特に使い道は決めていませんが、何か
「ふ、普通にエグイ使い道だった。流石に動画は可哀想だから辞めておくよ」
何食わぬ顔でとんでもない要求をしてきた世話係に、何とも言い難い微妙な視線を返し。
それから
■
~ 20分後 ~
「遅いぞ二人共、一体何処で何してたんだ?」
エリスと共にサービスエリアの施設を一周した後。
フードコートの座席にエリスと対面で座り、壁際に並んだ店を見ながら昼食を悩んでいた
自分の隣に
「それで、昼食はどれにする?」と尋ねたところで、遅れた二人の“異変”に気付く。
「ん? 何か二人共……顔が赤くないか?」
「そ、そんなこと無いよッ、
「そ、そうだよッ。ボク等はいつも通りさ。
「そうか? 流石にそこまで赤くないと思うが……まぁいいや。熱中症にならないよう気を付けてくれよ。そんで、昼飯を何にするかだけど――」
男子だから、という訳でもないだろうが。
今現在、
二人の顔が赤い理由を必要以上に追及することはなく、この話題転換に
そんな二人の事情を唯一知っている人物こと世話係:ビクトリアは、エリスの背後に立って「お嬢様」と声を掛けた。
「昼食のメニューはどれになさいますか? 異世界に無い食べ物で言えば、タコ焼きなんかは日本らしくてお勧めですよ」
「アタシは、既にあの“うどん”という麺類に決めたのだ。ちくわ(?)とかいうやつとエビのてんぷーらも付けるのだ」
「かしこまりました。では早速、私が買って参ります」
「あっ……」
「どうされました? やはり他のメニューにされますか?」
「……いや、さっきのやつでお願いするのだ」
「? わかりました。ではしばらくお待ち下さい」
ビクトリアが僅かに頭を捻るも、会話の中に特別おかしな点も無かった。
エリスが何を気にしたのかわからないが、基本的に言いたいことは口に出すのがエリスという少女なのだと、彼女はその認識でいる。
とりあえず言われたメニューを買って来れば文句も無いだろうと、すぐ歩き出した世話係――その腕を
「なぁビクトリアさん」
「何でしょう? 愛の告白であれば受け付けていませんよ」
「そうじゃなくて。ちょっとこっちに」
ここで
「多分だけどさ、エリスは自分で買いに行きたいんじゃないか?」
「え? どうしてそう思われたのですか?」
「いや、さっきフードコートを見て回ってた時、滅茶苦茶楽しそうにしてたから。まぁそれだけの理由なんだけど」
「………………」
無言、その後。
ビクトリアはクルリと振り返る。
「エリスお嬢様、お買い物も“異世界体験”の一環です。よろしければご一緒に如何です?」
「むっ? 何だビクトリア、一人で買い物も出来ないのか。それならしょうがない、アタシが手伝ってやるのだ」
空腹時の魚ばりに、釣り針を垂らしたらすぐに喰いついた。
ニヤニヤを隠せない顔で椅子から立ち上がったエリスを見て、ビクトリアは静かに、
「――少しだけ見直しました。ただのロリコン野郎じゃなかったのですね」
「いやだから、俺はロリコンじゃないって」
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