🍓ロリ巨乳の幼馴染み彼女が異世界からやって来たイケメン勇者に寝取られたと思ったら、実はイケメン勇者が男装した美少女で、しかも10年前に生き別れた血の繋がっていない妹だった話
27話:危険 ~ お嬢様は『ロリコンホイホイ』 ~
27話:危険 ~ お嬢様は『ロリコンホイホイ』 ~
神奈川県にある有名な「海老名サービスエリア」と肩を並べる――とまでは言わないまでも、足元には及ぶ程度のそれなりに広い敷地を有するサービスエリアだ。
そんな
バスの様な外観を持つ巨大なキャンピングカー = モーターホームの運転手である世話係:ビクトリアは、大型車両の駐車エリアに車を止めた。
それからシートベルトを外し、彼女は背後のダイニングスペースに向けて凛とした声を張る。
「エリスお嬢様、お昼はどうなされますか?」
「ん、ビクトリアが作ってくれるんじゃないのか? 食材も色々と買い込んでいただろう」
「えぇ、食材は余るほど用意してあります。車内での調理は勿論可能ですが、せっかくなら日本のサービスエリアを回ってみるのも“異世界体験”として良いかも知れませんよ。決して私が楽したいからではなく、エリスお嬢様のことを想っての提案です」
(いや、絶対アンタが楽したいだけだろ)と内心思う
いくら自動運転の車とは言え、彼女がここまで大型車を運転して来たのは事実。
精神的にも肉体的にも少なからず疲れが溜まっている頃合いだろう。
多少の楽をしたところで罰は当たらずない筈で、エリスがそこまで考えていたかはわからないが、小さなダークエルフの少女は「ふむ」と思案する。
「ビクトリアがさっきから言っている、その“サービスエリア”とやらは何なのだ? この場所のことか?」
「そうです。まぁ言ってしまうと『ドラゴンパーキング』みたいなものですね。車に乗って移動する人達の休憩所です。食べ物や土産物が沢山売っているので、見て回るだけでも楽しいですよ」
「ふむ、『ドラゴンパーキング』の車版か。それは確かに面白そうなのだ」
「「ドラゴンパーキング?」」
二人の会話が進む中、
異世界経験のある
どうやらエリス達が居た異世界では、ドラゴンに乗って移動することが当たり前のようだが……ともあれ。
鶴の一声で、お昼はサービスエリアで取ることに決定。
そして鶴役であるエリスが早速扉を開けようとするも、世話係:ビクトリアが「待った」をかける。
「エリスお嬢様、外に出る時は必ず上着を羽織って下さい」
「え、何でだ? 暑いだろ」
「暑くても我慢です。ダークエルフ族の民族衣装は、この日本という国では少々露出が激し過ぎます。会見の時はインパクト重視でその衣装のままでしたが、人手のある場所でその格好は必要以上に人目を引きますので」
「別に構わん。アタシは目立つの嫌いじゃないし」
「目立つと護衛が大変なんですよ。それに正直、今のエリスお嬢様は『ロリコンホイホイ』と言っても過言ではありません。
「なるほど。それは確かに嫌なのだ……」
その
「おい、名誉棄損で訴えていいか? 言っておくが俺はロリコンじゃないぞ」
「
「
――とまぁ、そんなこんなのやり取りを経て。
エリスは薄手のロングパーカーを羽織り、でも結局「前」は開けたままなので下着の様な衣装が丸見えではあるが、それでも露出度はかなり減った。
子供が水着の上からパーカーを羽織っていると思えば、まぁ許容範囲だろう。
そんな彼等が外に出ると……。
「うわっ、あの子めっちゃ美人じゃね?」
「隣の子は小さいのに胸デカいな。アレ中学生か?」
「はぁ~、滅茶苦茶レベル高い集団だな。声かけたいけど男が居るのか。しかもイケメンだし」
「くそっ、あいつのハーレムかよ。リア充死ね。でも本当に死んだら後味悪いから別に死ななくていいぞ」
などといったヒソヒソ声(?)が聞こえてくるも、面子を見ればそれも納得。
美人な
そこに180センチの
この面子で外に出ると否が応でも目を引くが、そんな中で唯一の男性である
「今更だけど、
「そうか?」
「そうだよ。普段は感じてなかったの?」
炎天下の駐車場を歩き、サービスエリアの施設を目指しつつ。
「そういうの、あんま気にしてなかったな。言われてみたらちょくちょく見られてた気もするけど……何で俺を見るんだろう?」
「いや、それはカッコいいからに決まってるでしょ」
「うんうん、激しく同意だよ。
「全く、この男の何処がいいのか……アタシにはサッパリだな。ウイ
「マジかそれ。人が失神するレベルの決め顔って……こんな感じか?」
試しに
「キャーッ、ウイ
「エリスちゃん、中身は
「くッ、そうだった!! おのれアカバネアヤト、何処までもアタシをコケにしやがって……って、熱ッ!!」
アスファルトに四つん這い。
その格好で地面を叩き、悔しさを表そうとしたエリスだったが、昼時を迎えた炎天下のアスファルトは地獄そのもの。
弾けるポップコーンの様に飛び起き――
「アカバネアヤトと、夏の馬鹿野郎ーッ!!」
――その悔しさを、何処までも澄み渡る青空に叫んだのだった。
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