🍓ロリ巨乳の幼馴染み彼女が異世界からやって来たイケメン勇者に寝取られたと思ったら、実はイケメン勇者が男装した美少女で、しかも10年前に生き別れた血の繋がっていない妹だった話
21話:冷房 ~ 俺はアンタのママじゃない ~
21話:冷房 ~ 俺はアンタのママじゃない ~
ダークエルフの少女:エリスの「一肌脱いでやる」という台詞を受け。
一瞬“あらぬ光景”を妄想してドキッとしてしまった
「おーい、ビクトリア。ちょっといいかー?」
「………………」
「ビクトリアー?」
「………………」
下のリビングで待機している世話係:ビクトリアを呼ぶエリスだが、反応は無い。
声の大きさ的には問題無く届いている筈だが、何か大事な仕事に集中しているのだろうか?
この無反応にはエリスも不機嫌そうに溜息を吐き、それからクルリと振り返る。
「おいアカバネアヤト、ちょっと下に行ってビクトリアを呼んで来るのだ」
「え、俺が呼んでくるのか? まぁ別にいいけど……」
「
立ち上がった
「ウイ
――すぐさまエリスが
遠慮の欠片も無いこの態度には
ビクトリアを呼んで来るついでに喉を潤そうと、
すると。
扉一枚を隔てた背後から、すぐに『ウイ
『ちょっとエリス、こんな場所で駄目だって』
『はぁ、はぁ……やっぱりウイ
『もう、そんなにアチコチ触らないでよ。エリスは甘えん坊が過ぎるなぁ』
『えへへへ、だってしょうがないじゃないですか。ウイ
『別に遠慮してる訳じゃないんだけど……全く、エリスはしょうがない奴だな。ほら、これでいいだろう?』
『はぁ~、最高ですぅ~』
(……全く、人の部屋で何やってるんだか)
イチャイチャが過ぎる二人の会話に、呆れ顔で「やれやれ」と肩を竦める
その態度からは“扉の向こうの出来事など気にしていない”みたいな感じにも見えるが、実際のところは滅茶苦茶気になっているというか、気にならない訳が無い。
ただ、それで部屋を覗いたところで結果はわかっているというか、二人が仲良くしている姿を見せつけられるだけ。
それが悪い事とは言わないまでも、もし
(いやいや。あの二人が仲良くして、それに俺が嫉妬するとかあり得ない。二人は姉妹みたいな関係性って話だし、仲が良いのは何も悪いことじゃないし……もういいや、さっさとビクトリアを呼びに行こう)
心の奥底に。
何か“もやもやした感情”が生まれた気もするが、これ以上は考えても時間の無駄。
扉の向こう側を見てみたい好奇心を押し殺し、
――――――――
~ 赤羽家のリビングにて ~
「おーい、ビクトリアさん……って、えぇ? めっちゃ寝てんだけど……」
エリスの世話係:ビクトリアを探してリビングに入ると、ソファーの上で横になっている黒スーツ女性の姿を発見。
声を掛けるまでもなく、誰がどう見ても明らかに寝ている――それも爆睡だ。
人の家のソファーに堂々と
(この人、仕事出来る系かと思ってたのに……実はそうでもないのか?)
昨日、
更には、2階へ上がる前に交わした“こんな会話”すらも、嘘だったのではないかと思えて来た程だ。
================
『えっ、アンタは
『はい。私は有事の事態に備え、リビングで厳戒態勢のまま待機しています。この日本にはエリスお嬢様で欲情する危ない輩が多いと聞いていますし、変質者が無理やり侵入して来るかも知れませんので』
『えぇ……日本ってそんなイメージ持たれてたのか。何かショックだな……。異世界から見た“日本の良いところ”は何も無いのか?』
『勿論、良いところも沢山ありますよ。特に近頃は、異世界でも“日本食ブーム”が起き始めていて、寿司や天ぷら、ラーメンにカレーといった料理を出すお店も増えてきています。あと、“
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――このやり取りが、ほんの少し前の会話であるという事実。
キリッと凛々しい顔で頼もしい台詞を吐いていた人が、僅か少しの間でこの大爆睡なのだから恐れ入る。
まぁ木陰に居ても熱中症になりそうな真夏の外から、ひんやり涼しい冷房の効いた快適なリビングに入り、休みたくなる気持ちはわからなくもないが……それでも、流石に午前中の早いでここまでの爆睡は如何なものか。
「おーい、ビクトリアさん。起きてくれ」
女性の身体を触るのも失礼かと、とりあえず声を掛けてみる
それでも起きる気配が無い為、今度は遠慮がちにゆさゆさと身体を揺さぶる。
「おい、起きろって。仕事中だろ?」
「ん~……ママ~、あと5分だけ~」
「誰がママだ。寝惚けるのは自分の家だけにしてくれ」
まだまだ彼女は夢の中。
更に強く身体を揺すると、ビクトリアは涎の糸を引き伸ばしつつ、「ん~」と目を擦りながら上半身を起こした。
「お、ようやく起きたか。ビクトリアさん、エリスが呼んでるぞ」
「ん~……ママ~、今何て言ったぁ? まだ寝足りないんだけどぉ~」
「おいおい、いい加減にしてくれ。いつまで寝惚けてるつもりだ? 残念ながら俺はアンタのママじゃないぞ」
「ふぇ? ママは私の……え?」
ビクトリア、開眼。
直後に、
「痛ッ!?」
一瞬にして天地がひっくり返り、背中の痛みに顔を歪めた
そこに、その顔に、ビクトリア大爆睡の証である「涎」が――
赤羽家のリビングに、痛みではない
――――――――――――――――
*あとがき
続きに期待と思って頂けたら、本作の「フォロー」や「☆☆☆評価」を宜しくお願いします。
お時間ある方は筆者別作品「■黒ヘビ(ダークファンタジー*挿絵あり)/🦊1000階旅館(ほのぼの日常*挿絵あり)/🌏異世界アップデート(純愛物*挿絵なし)」も是非。
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