🍓【ロリ巨乳の幼馴染み彼女が異世界からやって来たイケメン勇者に寝取られたと思ったら、実はイケメン勇者が男装した美少女で、しかも10年前に生き別れた血の繋がっていない妹だった話】
2話:恋人 ~三角関係と三角関数は似てる~
2話:恋人 ~三角関係と三角関数は似てる~
高校入学から2カ月ほどが経過し、新生活にも慣れて来た彼の額には、10年前から“星形の痣”が残されている。
父親曰く、神社で遊んでいる時に出来た痣らしいが、それ以前の記憶を失っている彼にそれを確かめる術は無い。
そんな
幼い頃から
コレを「ペアルック」だと言い張る彼女の1学期中間テストの成績は、その言動の割に学年でもかなり上位の部類に入る。
そして二人は――所謂「恋人」同士の関係性。
付き合いだしてからまもなく2年が経とうとしている今、幼い頃の「チュー」を除いても既に「
ただし、そこまでだ。
『“この先”は、もうちょっと大人になってから……ね?』
中学3年の夏。
花火大会の帰り道、二人きりの神社でテンションの上がった
しかしながら完敗ではなく、「次回へ持ち越し」となっている状態のまま――二人は“今日”を迎えた。
■
「……なぁ
6月下旬、まもなく始まる朝のホームルームを前に。
窓際の最後尾に座る
「そう言えば今日、“珍しい転入生”が来るんだって」
「珍しい転入生? この時期の転入生ってだけで十分珍しいだろ」
「だよねぇ~。一体誰が来るんだろ?」
二人のみならずクラス全員でそわそわとする中、教室の扉がガラガラと開く。
最初に入って来たのはクラスの担任、20代後半の女性教師。
美人で優しく生徒からの人気も高い教師だが、今日ばかりは皆の注目が“その後ろに”集中している。
校庭に野良犬が迷い込んだ時みたいな「ワイワイ」とした騒ぎではない。
密室殺人の容疑者が集まり、「この中に犯人が居ます」と名探偵に言われた時の様な、動揺と興奮の混じった騒ぎ。
その理由は、主に“2つ”ある。
1つは、十中八九「転入生」だろうその人物が、制服ではない浮いた服装をしていること。
浮いた服装:日本では見慣れぬ民族っぽい衣装とマントを羽織り、しかも腰には「剣」を携えていて、誰がどう見ても突っ込みどころしかない服装だが、
(アイツ、さっき玄関前で先生と一緒にいた奴だ……)
どうやら先の光景は、担任が不審者を注意していた訳ではなく、今日来た転入生を迎え入れていたらしい――が、そんなことよりも。
何よりも目を引くのは転入生の“美少年”っぷりで、2つ目の理由がコレだ。
美少年:イケメンの黄金比を極めたと言っても過言ではないルックスで、クラスの女子がうっとりと目を細めるのは、最早風に吹かれて草がなびくのと同じ。
男子も男子でその圧倒的なイケメンっぷりを前に、嫉妬心を持つどころか頬を染め始める始末。
何なら転入生を連れて来た担任の顔も朱を帯びているが、それを「コホンッ」と咳払いで誤魔化し、彼女が告げる。
「皆さん静かに。今日から皆さんの仲間になる転入生を紹介します。――それでは、自己紹介をどうぞ」
担任から話を振られ、転入生が背中のホワイトボードを振り向く。
マーカーを手に取り、キュッ、キュッと書かれたのは「漢字二文字」
「嘘だろ?」
「おいおいマジか」
「ってことは、あの転入生って……」
クラスの皆が今一度ざわつく中。
マーカーを置いて振り返った転入生が、見目麗しい唇を開く。
「はじめまして。異世界からやって来た『
―――――――――
*あとがき
この【序章】は10話構成です。
お時間ある方、残り8話お付き合い頂ければと思います^^
(10話のあとがきには、1章で登場する新キャラの挿絵も載せています)
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