冬の巻

霧に靄 霜揃い来て 白妙の 雪と見紛う 冬の朝かな

きりもや しも揃い来て 白妙の

 雪と見紛う 冬の朝かな



 ある冬の朝に詠んだ歌。

 その日は地面は霜に覆われ、全体的に靄が出ていたうえに近くの公園の池からは霧が立ち昇り、近景も遠景も白一色になっていました。


 降雪が珍しい地域に住んでいるので、雪には漠然とした憧れがあります。

 起き抜けに窓から見た景色が白いと、「雪か!?」と子供のごとく謎の期待を抱いてしまうのですが、十中八九違います。

 この日もこの歌が完成した頃には霧も靄も霜も消え失せ、世界はすっかり色を取り戻していました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る