それでも短歌がいい

Skorca

初秋の巻

一夏が 過ぎし我が庭 見渡せば 四方(よも)占めたるは 薄(すすき)葉と知る

一夏が 過ぎし我が庭 見渡せば

 四方よも占めたるは すすき葉と知る



 数年前のことです。

 梅雨から夏にかけて、天候と仕事の弊害で世話が行き届かなくなっていた庭。

 どこからか、いや明らかに向かいの空き地からなのですが、ススキの種が飛んできていたらしく、敷地内のあちこちから生えていました。


 ススキ、恐ろしく深く根が張るし、葉は握れば皮膚が切れるので、除去にとても苦労するのです。


「あーー……」

 そんな悲嘆をなぜか短歌に詠もうとした――それが私の短歌創作の始まりでした。

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