終/魔喰い管理機関
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二〇一五年に起きた夜部市内連続行方不明事件及び大規模殺人事件について
二〇一五年五月上旬、夜部市内では大規模な連続行方不明事件が発生した。犯人は伴場楽美。性別女性。事件当時の年齢は三十八歳であった。
伴場は十年前、当機関に所属する血分万妃を襲いその血液を盗んでいた。伴場はその血を自身と当時四歳の愚裏可憐に投与。両名はそれぞれ階級は異なるものの、以後グールとして活動。伴場は血液を確保するため、また愚裏の食糧を確保するために定期的に人々を襲っていたと思われる。
今回の事件において伴場は街の人々に血分の血を投与。グール化を引き起こし、血分、九季かなめの二名を襲おうとしていたと推測される。
同年五月十六日深夜、夜部市内では大規模な殺人事件が発生。伴場によって薬を投与された九季が某ビル街にて暴走。周囲に口を展開し、人々を襲った。被害人数は三十五名。九季は五年前に発生した行方不明事件の犯人でもあり、今回の件と合わせて当機関での管理が決定した。
また五月十七日午前、同じく某ビル街において木村秋菜が暴走。ビル街、また周囲の住宅街、夜部市内上空に口を展開し人々を襲った。被害人数は百二十四名。また犯人である木村はその場で死亡、消失が確認された。また同日、街には伴場が変化した牛のような姿の化け物が発生。伴場による被害人数は二十三名。伴場も木村同様、その場で死亡、消失が確認されている。
今回の事件により、魔喰いの血を投与することの危険性が改めて知らされたと思う。魔喰いの暴走を防ぐため、魔喰いの血を摂取することによって人間が変化することを防ぐためにも、当機関としては積極的に魔喰いの保護を進めていく。
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