開戦
『臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。大本営陸海軍部、12月8日午前6時発表。帝国陸海軍は、本8日未明、西太平洋においてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり。帝国陸海軍は、本8日未明、西太平洋においてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり。今朝、大本営陸海軍部からこのように発表されました』
本土で太平洋戦争突入を報せるニュースが流れ大部分は熱狂し、残りの面々の顔を暗くさせた。
大陸では37年中に満洲と租界以外から撤退し動員解除された人々が市井に戻り、関東軍74万も職歴検査で技術者は弾かれた為練度が落ちたものの人員面では生産能力に問題はなかった。
だが30年代後半から鉄鋼、重油、電気代──火力発電所が増設され、製鉄所からも売電されていた──の低下に伴い機械化は進んだとはいえ、未だ就労人口の4割が一次産業に従事していた。
そんな状況下で日米交渉が行われたが、ソ連やチャイナ・ロビーの使嗾を受けた米国からの書簡、ハル・ノート内の満洲を含む大陸からの軍、警察の全面撤退は日露戦争後の権益を半ば放棄する物で、到底呑める物ではなく交渉時点で粗鋼生産量と艦艇保有㌧数が7割、航空機生産数は6割である事を除けば他は10倍近い差がある超大国との戦争に突入したのである。
開戦時の日本海軍・海保の合計戦力は、
戦艦:11
空母:10
巡洋艦:41
駆逐艦他合計767隻であった。
海上保安庁は40年11月から海軍省の隷下に入っており、嶋田繁太郎と同期の吉田善吾が長官に就任。
同庁は海上護衛総隊を統括。
第四、五艦隊を麾下に入れ、総隊旗艦を鹿島とした。
──1941年12月11日、ウェーク島沖──
「電探に感! 百五十(度)、距離一四〇(〇〇)、進路、速力不明、敵潜です」
「面舵一杯、戻せ。 砲戦、戦闘爆雷戦用意」
「舵中央宜候」
電信員からの報告を聞いた駆逐艦柊艦長、青木少佐は戦闘を命じた。
一時失探したものの右舷後方を航行していた如月も増援に現れ、砲撃の他爆雷攻撃も実施。
しばらくしてソナーが圧潰音を捉えた。
沈んだのは充電の為浮上していたトライトンである。
柊艦内は撃沈に沸き立ったが、直後に疾風の轟沈を知ると空気が一変した。
上陸作戦は波が高かった為失敗。
F4Fの襲撃もあったが一機を撃墜してからは挑戦して来なくなった。
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