腹心の友
自然と眼を閉じた事を確認して孝は美代の唇に自分の唇を重ねて舌を差し入れた。
熱い抱擁を仕掛けた時、ガチャリ!トイレの戸が開く音がしたので、二人は離れた。
「ここのトイレは、綺麗だね。匂いもしないよ!」と言いながら出て来たからあとコンマ1秒遅れたら元カレ、元カノ同士がバレるところだった。「そうなの?私直美の部屋で寝るわ!」とその場を立ち部屋を出ようとした刹那!
「痛い、誰よ!?」直美の叫び声が尋常でない事ぐらい分かった!急いでドアを開けたが、「誰か判らないわ!背中が赤木さんのに似てたけど。」
「直美!」
美代が直美の300号室へ走る!
後の2人もそれに続いた!
「ナニ?」
「皆してどうしたの?」直美の大きい声がしたからと孝が言って説明をした。
直美の方は、ナイトスキーをしていて木陰に男性が倒れていて、観ればかなりの出血があったから救急箱を取りに部屋へ戻ったら赤木が後から来て、直美を羽交い締めにしてベッドへ押し倒そうとしたから一発肘打ちをお見舞いしたら部屋を出ようと慌てて逃げたから背中に跳び蹴りを食らわせ、部屋のドアに頭をしこたま打ち付けて逃げたらしい。「もともと私の身体目当てで付き合ったらしいから潜在意識にキライが固まっていたのよね?」誰にともなく語った。「じゃあナイトスキーなんて、どこの馬の骨とも分からん奴と行くんじゃないよ!」
功太が、自棄に興奮して声高に怒鳴った。「止めとけ功太!」寝不足の孝が興奮して功太の胸ぐらを掴み怒鳴るが、「うるさいボケ!」
それ以外の美代はオロオロとして、ナニがなんだか分からない状態が続いたが、直美の説明でその場は、落ち着いた。
「取り敢えず美代の部屋へ行こう、飲み直しだよ。」と、美代の部屋に集まる事にした。功太は一人拗ねてダイニングのバーで飲んでると言ってその場から外れダイニングへ向かった。
「あの調子でね~功太が束縛してくるから嫌になって別れたのよ。サイテーな男ばっか、当たる。」
あーーー!と、深く長い溜め息をついてグラスのシャンパンを一気に飲み干した。
「モエシャンの一気のみ!久しぶりね、直美?」美代の顔に笑顔が戻った。
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