第10話 心の友より明日の米。

 お米ないよおおおおって連絡したら即「じゃ、明日持って行くわ」と言ってくれた頼もしい母と、お隣の市のネオンにて待ち合わせ。

 娘を送っていったその足でネオンに向かい、この前買った娘のスカート、履きやすいっぽいから同じのまだ売ってないかなぁ、と思い探していたら、母から「着いたよ~」とLIMEがあった。


 無事にスカートをゲットして母と合流し、食べ物屋さんが並ぶエリアのお気に入りのお店にて、11時ぴったりに入店し席に着く。

 マスク嫌いな母は5類になってマスクしなくていいよ~という感じになってから、こういった場ではマスクをしなくなった。

 けれど入ったお店はパン食べ放題で、自分でパンを取りに行くスタイルだったから(ドリンクバーもあるし)席を離れるときはマスクを着用。メリハリ着けている感じかね。


「夫君はもう大丈夫なん?」

「うん。やっぱ発症しはじめは熱もすごいし喉も痛くて大変だったみたいだけどね。今はなんとか。でも本人曰く『すっごいきついインフルみたい』って感じだったみたいだから、まぁ~罹らないに越したことはないよ、やっぱりね」

「そりゃそうよね。医者は行ったん?」

「わたしが電話して薬だけもらいにいった感じ。だって検査で陽性って出てるんだもん。医者に診てもらったところで結果が一緒ならね、動くのもしんどいひとを病院連れていくのも、それはそれで悪化しそうじゃん?」

「そうよね~。なんにせよ今が元気ならよかったよ」

「昨日また検査薬使ってみたら陰性って出たしね。だからこそこうしてお母さんとご飯も食べられるわけだけども」


 さすがにそれがわかっていなければ母とご飯は無理だったよね。


 というわけでお互いの近況を語り、お互いの旦那はじめ家族の愚痴を言いまくり、笑い合ってご飯は終了~っとなった。

 その後少し買い物して、駐車場にてお米をもらい解散。コロナのことって友達同士でも言うのははばかられるだけに、身内でこうしてあけすけに語れて発散できると、すごいスッキリするなぁと思うばかり。

 まぁわたし、友達一人もいないんだけども。ママ友すら存在しない。


「気を遣う友人よりも明日の米のほうが大事だし、それを受け取れたことが一番の収穫だわな。さぁて、帰ったら布団を取り込まないと」


 帰宅して布団を取り込み洗濯物を取り込み、とやっていたらもう下校時間。子供たちを迎えに行って、はぁ、また忙しい夕方のルーティンがはじまるわ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る