第9話 布団も干すよ~。

 今日も残業をしてご飯食べてシャワー浴びてから帰ってきた夫。廊下に置かれた着替えのバッグを鬼消毒して、中身を洗濯機に放り込みつつ。


「明日はまだここで寝起きだよね」

「そうそう。明後日の水曜日に帰ってきてから再びの同居開始ね」

「これまで別居だったのか……」


 しみじみとした様子の夫。家庭内別居もいいところだったよね、実際。


「しかし今日も暑かったねぇ。明日も暑そう。明後日は雨になるけども」

「あー……ではあの、ゆかさん、お願いが」

「へい」

「明日、布団干してもらっていいかな? いいかげん敷きっぱなしで、なんというか水っぽくて」

「あぁぁあ……」


 そりゃそうだわな。どんだけ汗その他を吸い込んでいるのか。


「OK。消毒しまくって干しておくわ。上のカバーはしっかり洗う。そこまで気が回らなくてスマン」

「まぁ感染のリスクもあるからね」

「そういえば仕事はじめる前は君、歯磨きもできていなかったよね」

「気づいていただけましたか。今はシャワーのあととか会社で磨いているから大丈夫だよ」

「気がつかずにすまんかったです」


 それなりに不自由がありつつも我慢していた夫、偉い。明日はきちんと干そう。

 そう誓って、あれこれ終えてから就寝……。


 ――2023年7月4日(火)。


「はい、おはようございます! ほら早く起きろ~遅刻するぞ~」

「学校行きたくなぁあああいぃいいい!」

「チッ、火曜日になった今日も学校行きたくない病か○子よ」


 毎日毎日いやになるわよ本当に。とはいえ娘のほうも毎日毎日行けと言われて、いやになっているだろうけども。


「今日はママお出かけするから学校行ってくれないと困るのよ」

「せめて中休みからでお願いしますぅぅ……」

「え~二時間目から行きなよ」

「いやだぁぁあああ」


 ということで本日は娘の粘り勝ちゆえ、中休みからのスタート。息子は普通に朝ご飯を食べて「行ってきまーす」と登校班の集合場所へ出かけていった。偉い偉い。


 で、ゆっくり朝ご飯を食べる娘を横目に、こっちは洗濯機を回し、寝室へ。マスク二重、ビニール手袋の完全防備で、アルコール消毒を夫の布団にかけまくる。


「マスク二重だからわかんないけど、くっさそうだなぁ、この布団。消毒と言うより消臭のために吹きかけている感がすごい……」


 そうして裏も表もこれでもかとかけまくり、敷き布団と掛け布団はベランダへ。シーツと枕カバーは、衣類が洗い終わったタイミングで洗濯機へすかさずぶち込む。

 枕も消毒をこれでもかと吹きかけて、ベランダの室外機の上に古いタオルを敷いて、その上にぼすっと載せて乾燥させる。


「ひぃぃ、コロナ菌がめちゃくちゃついていそうで布団運ぶのも怖いよぅぅ……」


 パパの布団を運ぶよ~って言ったら娘、安全な場所であろう階段下に即座に避難したし。

 ベランダは居間のほうにあるので、寝室の布団を干すとなると、一階廊下に出て、ダイニングに入り、そこから居間を通る必要があるのだ。


「よいしょ、と。さぁて、さらに除菌してやるわ」


 ということで一番お高いキラキラパッケージのリセッチュをここぞとばかりに吹きかけまくる。


 本当はコインランドリーとかで高温で洗ったほうがいいんだろうけどね、持って行くのが手間過ぎて面倒くさい。

 こんだけ手の込んだ消毒をするくせに持ち運びは面倒くさいと思うあたり、手間をかけているのかいないのか、我ながら判断がつかない。


 消毒臭いであろう、よれよの布団が干される中、洗濯されたシーツも干して、衣類も干して洗濯は終了。

 まだ梅雨明け前だっていうのに日差しがすでに夏! 暑すぎ本当に無理ー!

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