　――2023年7月1日(土)。

　7月になっちまったよ……下半期に入っちまったよ……おれぁいったい上半期になにをしていたっていうんだ……記憶がねぇ……。

　と完全にやさぐれつつ、子供たちが起きだしてしまったのでしかたなくわたしも起きて布団を片づけ、テーブルを設置し。はぁ、この生活も飽きてきたわ。

「ママ～今日はどっか行く？」

「いんや、特に買い物とかも必要ないし。明日は行くだろうけど今日は家でゆっくりだね」

「はぁ、つまんないなぁ」

　すまんな子供たち。先週からどこにも行けてなくて暇だとは思うけれども。パパのコロナが完全に終わるまで外出やら外食はちょっとね。

「パパまだ治らない？」

「そうね～。薬も全部飲み終わって仕事にも行けているけれども、ほら、たまに咳が聞こえてくるじゃん？　あれがある限りはまだ不安よね」

「そっか～」

　夜たまに聞こえてくるパパの咳の声には子供たちも気づいているので、わりとすんなり納得してくれた。小学生ともなると言えばわかることが増えてくるので本当に助かる。

　とはいえ寝室には立ち入り禁止なので、子供たちは必然的に居間でほとんどの時間を過ごすことになっちゃう。

　一緒の空間にいると喧嘩も多くなるので、娘などは「階段のところにいるわ～」とわたしのスマホを持って、階段に腰かけて動画を見たりすることも多くなった。自分の機嫌の取り方をよくわかっていますこと。

「お、ハンドクリームここにあったか。冬に買った奴だから残りが少ないが、今日のぶんは充分保つな」

　棚をあさっていたら出てきたハンドクリームを気合いで絞り出して塗り塗り……と。

　手首の湿疹にも、普段からできものが多いので、それ用のクリームを昨夜のうちに塗っておいた。昨日よりはかゆみが収まっていて、幾分ブツブツも収まった……ような気がする。

　とはいえすぐに「ママ、お腹空いた～！」って声がかかるからご飯の用意をしなきゃいけなくて、調理の前に手洗いするでしょ、消毒するでしょ、終わったら洗い物するでしょー？　で、塗ってすぐのハンドクリーム速効で落ちるの待ったなしでの、主婦の生活と書いてただの苦行よ！　マジで休まる暇がないんだけどね!?　

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい