第五章 引き続き隔離生活。
第1話 唐揚げしか勝たん。
――2023年6月29日(木)。
「気持ち悪いの治ったぁ……!」
パアアアア、と効果音でもつきそうな気持ちで思わず天に拳を突き上げた朝。気持ち悪いの治っているよぅ、よかったよぅ……!
「まぁ布団と布団のあいだにできた溝に落っこちて毎日寝ているだけに、寝起きはいつも疲れた感じではあるが。ほら子供たちよ、起きろ~!」
朝は車で登校するのがデフォになっちゃったおかげで、いつもより10分くらいよけいに寝ていても大丈夫と学習した子供たち。声をかけても起きやしねぇ。ちっ。
「パパは今日もお休みなの~?」
「うん、今日までお休み。明日からお仕事に行く感じかな。もうずいぶん元気になったよ」
「でもたまに咳が聞こえるよ?」
「痰が出るからついつい咳をしちゃうんだってさ」
なんて会話をしつつ布団を片づけ、テーブルを戻して、と。
子供たちを送っていき夫氏を訪ねると、会社からLIMEで「今日も出れない?」と催促が入っていたとのこと。
「『出られない、腰痛い喉痛いまだ微熱ある苦しい』って返信しておきなさい。わたしの目が黒いうちはここから一歩も出さん」
「へいへい。とはいえ明日は行っていいんだよね?」
「うん、今日が5日目だから明日からOK」
「そう返信しておくわ」
ということで今日も暇を持てあます夫氏。悪いがこっちは変わらず忙しいのだよ。
「買い物行ってくるけど必要なものある~?」
「うーん、特に大丈夫かな」
「わかった」
ということで今再びのウメキヨへ。
今度はわたしのマスクが在庫切れよ。たった五日のうちにウメキヨブランドのマスクを二箱も消費するとは思わなかったわ。
「昨日鬼のように消毒しまくったおかげで消毒液も切れたしね。手指消毒の奴ももう空っぽ。どんだけ使っているのよ、まったく」
ついでにクレンジングオイルもないわ~適当にこれ買おう、って感じでさっさと買い物を済ませて、そもそも晩ご飯どうしようかなぁとも思いつつ。
夫も回復してきたし、子供たちも不便な生活をがんばっているから、久々に唐揚げでも揚げようかね。夫もそろそろ食べられる頃合いだろう。
「我が家の子供たち、それなりに食べる割に偏食だからな。唐揚げだけが唯一ご飯をおかわりするおかずだからな……」
ハンバーグやカレーは娘がきらいだから、それを作るときは別のおかずも作らないといけないのが面倒くさい。唐揚げしか我が家では勝たんのである。
お昼ご飯はまたラーメンを作って夫に持っていき、わたし自身はスーパーで買ってきたお弁当で済ませ。午後はこのエッセイの続きを書いて、下校時間になったらお迎え~。
一日のルーティーンが終わり、お風呂を終えた夫のところへ行って、明日からのことを確認した。
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