第6話 風呂の消毒どうやんの?
「はいバスタオル、はいマスクなしでしゃべらない、すみやかに身体を拭いて着替えてくれ」
こくりとうなずいて急いで身体を拭いて下着を身につける夫。用意ができた夫とともに寝室へ。扉はすべてわたしが開け閉めして、夫にはいっさいさわらせない。
寝室に入ってマスクを着けてようやく「はぁ、さっぱりした」と声に出す夫。ここまで我慢して偉い。
「風呂上がりになんか飲むかい? 買ってきた飲み物でも麦茶でも」
「あー麦茶お願い」
「へいへい」
消毒しながらダイニングに戻り、紙コップに麦茶を注いで持っていく。ついでに夕食を運んだお盆を回収。
「また消灯時間になったらトイレに呼ぶね~」
「はーい」
ということで再び消毒しながらダイニングに戻り。
さて風呂場を掃除しなきゃと意気込んで、はたと気づいた。
「風呂場の消毒ってどうやればいいの?」
先に調べておけばよかったぁ……。もしかして浴槽とか壁とか天井とか全部消毒しないとやばい感じ? 夫が入っているあいだはずっと浴室の換気をオンの状態にしておいたけど。我が家の浴室、窓がないからな……。
それで言うならトイレもだけど。なので両方とも24時間、換気扇をつけている状態なんだが。
「一回調べてみるか」
ビニール手袋を取って手洗いを入念に二回して、マスクも外側のやつだけ取ってPCに向かう。調べてみる限り共有部分(蛇口とか椅子とか)は消毒するようにという記述で、浴槽とか床まではやらなくていいみたい。
というか感染者はシャワーだけで済ませて湯船には入るなって記述があったわ。
(でも腰痛の緩和のためにはあったまることが必要だと思うしなぁ……難しいな)
というわけでできるかぎり消毒することを誓い、再びマスク二重、ビニール手袋装備で浴室へ。まずはシャワーで全体を洗い流し、お湯や水を出す蛇口、シャワー、シャンプー、洗面器、椅子と全部にアルコールを拭きかけていく。
そのあと湯船にも全体に吹きかけ、手がふれる位置の壁にも容赦なくシュッシュッシュッと消毒液を拭きかけまくり。
マスクを二重にしているからいつもは感じない臭いも、さすがにこれだけ消毒まみれにすると感じるようになってしまうわ。
消毒したところはタオルでしっかり拭き、排水溝も掃除してアルコール吹きかけ。
終わる頃には全身汗だくになっちゃって、さすがにげっそりしてしまった。あづいぃぃ……。
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