第2話 在庫切れ、早すぎ。

「んが、熱が下がってもウイルス排出は続いているわけで、引き続きわたしは消毒の鬼になっていなきゃいけないんだよねぇ……」


 そしてあちこちシュッシュッシュッとやりまくっているおかげか、早々に消毒液が底をつき始めている。シュッとやっても出が悪い!

 おまけにビニール手袋も気づいたら、あとひと組しかないという状況。箱いっぱいにパンパンにあったはずなのに、たった二日でなくなるとは……!


「キッチンパックも50枚全部使い果たしてしまったYO……! マジか~消費量が多すぎる。ついでにわたしサイズのマスクもないや」


 ありとあらゆる在庫が切れている感がすごい。しかたない、買い物に行くかとマイバスケットを手に持った。


「夫氏~、ウメキヨ行ってくるんだけど、買ってきて欲しいものとかある? スーパーにも寄るよ?」

「あー……考えてLIMEしておくわ」

「わかった~」


 ということで車を飛ばしてまたウメキヨへ……もう毎日のように通ってない? 常連にもほどがあるな?


「ええと、ビニール手袋を、一箱じゃ心許ないから二箱買っちゃおう。消毒液、消毒液……と。詰め替え用の奴があるからこれを買って、マスク、マスクと……」


 必要なものを買っていたら夫からLIME。汗拭きシートとゼリーと飲み物を数本所望とのこと。完全に風邪引いてるひとみたいだな。風邪よりひどいウイルスだけども。


 ということでウメキヨでお会計。

 わたしが割引券などなにもないと言うと、レジの店員さんが「アプリのルーレットは回されましたか? 赤い割引券のほうは?」と確認してくださった。けど、どっちも連日使っちゃったからしばらく発行されないみたいでね……ははは……常連すぎる……。


 そのまま建物内の通路を通ってスーパーへ。自分の昼食と夫から頼まれた諸々と、足りない野菜などを買って帰宅。はぁ、暑いねぇ、まったく。


 夫に声をかけたらとりあえず飲み物を欲しいということで、コーラを持って行く。

 びっくりしちゃうでしょう? 喉が痛い痛いとずっと言っていて、今も痛いだろうに、所望された飲み物はコーラとサイダーだったのよ。

 妻の視点から見てもマジで謎。わたしが炭酸を飲めない人間だからよけいにそう思うのかもね。喉のところでピリピリするのが苦手なのよ(炭酸が好きなひとは、このピリピリ感がたまらないのだろうね。いいなぁ)。


 買ってきたものを冷蔵庫に詰め込み、夫のためにインスタントラーメンを作る。

 うちの夫、お粥とかくたくたに煮込んだうどんみたいなザ・病人食がきらいで、熱があっても煮込みうどんよりラーメンのほうが食べたいし、そっちのほうが回復するというタイプ。

 うどんはもう食べ飽きただろうから、カット野菜を中華調味料で炒めて、インスタント塩ラーメンと一緒に持って行く。これで元気を出してくれ。


 わたしのほうはスーパーで買ってきたおにぎりと惣菜パンで昼食。栄養が偏っている気がして、健康のためにも飲んでおこうと青汁の牛乳割りを飲む。

 抹茶ラテを飲もうと意気込んで間違って青汁で作っちゃって、でも案外飲めるな~と気づいたその日から、青汁の粉は少量のお湯で溶かして、そこに牛乳を注ぐというのが定番スタイルになっているわ。ホットでもアイスでも意外とイケるわよ。後味が苦いけどね。


 そうして食べ終えたら……なんだか久々の、一人でのんびり時間がやってきた。


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