第2話 かかりつけ医への連絡。
家に帰ってきてようやくほっと一息。
はぁ、子供たちが家にいないだけ、感染対策にそこまでピリピリしなくていいから楽だわ~。トイレの掃除と消毒の頻度も減るしね。
「さてと、夫氏は起きているかな」
マスク二重、ビニール手袋、消毒液とタオルを手に寝室へ~。
「おはようございます。起床時間でーす」
「うー……おはよう」
「あいかわらず喉はつらいかい?」
「うん」
むくっと起き上がろうとして……ちょっとめまいが起こったのか、いったん肘を突いてやり過ごそうとする夫。なんとか立ち上がって、わたしについてトイレへ向かう。
「朝ご飯食べられそう?」
「んー……とりあえず食べる」
「じゃ、ちょっと待っててね」
用を足し終えた夫を再び寝室に押し込み、トイレはもちろんドアノブも全部消毒をシュッシュッシュッとやって、タオルでふきふき。
いったんビニール袋と、外側のマスクを外して、しっかり手洗い消毒をしてから、平らな紙皿にご飯を盛り、昨日の残りの鯖味噌煮をご飯の上にそのまま載せる。
ペットボトルに麦茶も入れて、それを寝室へ。
「ペットボトルは空になったらそのままゴミ箱に捨てちゃって。燃えるゴミで出すから」
「ういー……」
「熱はかってみ?」
「うむ……」
で検温したけど、やっぱり39度。身体の節々が痛いし喉はもちろん痛いし頭痛もあるしで、まぁ大変な様子。
「ウメキヨの薬、まるで効いていないな。このあとかかりつけに連絡して、薬だけでももらえないか聞いてみるよ」
「おねがいしゃーす……」
それでも食べるものを食べなきゃ治らないとばかりに、食事はしっかり完食するんだからたいしたもんよね、夫。
とりあえず寝室を引き上げ、また懲りずに消毒を行い、ビニール手袋を捨て外側マスクを捨て、手を洗って消毒して……もおおお、面倒くさいな、一連のこの流れ!
そこから洗濯物を干して洗い物をしたら、もうかかりつけ内科の午前の診療時間になっていた。
「掃除と消毒が加わるだけで朝の家事すら一仕事だわ。ええと、夫の診察券どこだっけ。内科の電話番号は、と」
ピポパポとスマホから電話してみると、すぐに受付に電話がつながった。
『はい、K内科です』
「おはようございます。あの、夫がそちらにかかりつけでお世話になっている者なんですが。夫、土曜日から発熱して、昨日に市販の検査薬でコロナの陽性だと出たんですね。それで自宅療養していたんですが、どうにも熱が39度から下がらなくて、かなりつらそうなので、お薬だけでも処方していただくことってできないでしょうか……?」
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