8.成長


 ステータス

 カイン

 職業:無職LV5(MAX)

 LV:1

 EXP:10/200

 HP:10/10

 MP:40/40(+30)

 STR:50(+50)

 INT:50(+50)

 VIT:0

 AGI:0

 DEX:0

 LUK:10(+10)


 LP:40

 SP:20


 スキル

〈鑑定LV1〉〈獲得経験値減少〉〈必要経験値増加〉〈獲得LP増加〉〈獲得SP増加〉〈レベル上限解放〉


 称号

〈スキルを天に任せた者〉(MP+30、LUK+10)

〈ジャイアントキリング〉(STR+50、INT+50)




 よし! レベルが上がってるぞ!

 色々変化はあるけど、上から順番にやろう。


 まずは職業の所だ。

 無職のレベルが最大になっている。職業をタップすると、転職が可能ですというメッセージと共に、たくさんの職業が表示された。


 良さそうなものを数個ぐらいに絞ってみると。


 戦士LV1(STR+1、VIT+1)

 職業スキル

〈頑健LV1〉必要SP10

〈闘気LV1〉必要SP10


 修道士LV1(MP+10、INT+1)

 職業スキル

〈ヒールLV1〉必要SP10

〈祈祷LV1〉必要SP10


 工作員LV1(DEX+2)

 職業スキル

〈隠蔽LV1〉必要SP10

〈変装LV1〉必要SP10


 職業スキルは、その職業にならないと取得可能にならないスキルで、転職しても使うことが出来る。


〈頑健LV1〉は永続的にSTRとVITの強化、〈闘気LV1〉はMPを消費してHPとMP以外のステータスを強化。

 戦士は戦闘全振りといった感じ。


〈ヒールLV1〉はMPを消費してHPを回復、〈祈祷LV1〉はお祈りする間MP回復速度上昇。

 修道士は〈祈祷LV1〉目当てだ。これさえあれば家でスキルレベル上げの作業に取り組める。


〈隠蔽LV1〉も〈変装LV1〉も自分のことを隠したり違う様に見せたりする単純なものだが、合わせることで色々出来そう。

 というか、鑑定対策の為に必須。

 工作員は決定。


 よし、決まりだな。〈獲得経験値減少〉〈必要経験値増加〉は職業レベルの経験値に影響していないみたいだし、すぐにまた転職出来るようになるだろう。


 SPもちょうど20あるし、〈隠蔽LV1〉と〈変装LV1〉を取得。

 ふむふむ、これならステータスを〈隠蔽LV1〉で隠して、〈変装LV1〉で偽のステータスを表示させることも出来そうだな。


 一旦LPの振り分けは後回しにして、称号を見るか。〈ジャイアントキリング〉は、格上を倒すみたいな意味合いだから、ゴブリンアサシンを倒した時のことか。

 ゴブリンアサシンはDランク、一方俺はLV0。何故俺が勝ったのか、未だによく分からん。


 この称号、しれっと書いてあるボーナスな値がやばい。合計100も増えている。

 普通の人の5レベル分のLPと同じと言えば、凄さが分かるだろうか。

〈獲得LP増加〉を含めれば、実質俺のレベルは7だな。

 結構いいんじゃないだろうか。


 ただなぁ、次のレベルに上げるために必要なEXPが多いのが困った。ゴブリンアサシンのEXPがスキルの効果で減った上で16だから、後13体か。


 LPの振り分けを慎重にやらないと大変なことになるぞ。

 そもそもステータスをいじれることがバレたらまずいわけで。

 あまり身体に影響が見えないで、尚且つ経験値が稼ぎやすくなるようなステータスにしないといけない。


 熟考に熟考を重ねた結果、俺のステータスはこうなった。




 ステータス

 カイン

 職業:工作員LV1(DEX+2)

 LV:1

 EXP:10/200

 HP:10/10

 MP:40/40(+30)

 STR:50(+50)

 INT:50(+50)

 VIT:0

 AGI:0

 DEX:42(+2)

 LUK:10(+10)


 LP:0

 SP:0


 スキル

〈鑑定LV1〉〈隠蔽LV1〉〈変装LV1〉〈獲得経験値減少〉〈必要経験値増加〉〈獲得LP増加〉〈獲得SP増加〉〈レベル上限解放〉


 称号

〈スキルを天に任せた者〉(MP+30、LUK+10)

〈ジャイアントキリング〉(STR+50、INT+50)




 これでステータスはいい感じだな。後は…そうだ、服に〈変装LV1〉を使えば、血も誤魔化せるのではないだろうか!?


 早速〈変装LV1〉を使い、ついでに短剣に〈隠蔽LV1〉も使った。これで証拠隠滅だ。

 後は堂々とした顔で居れば大丈夫だろう。



 ♢♢♢



「カイン、あんた隠し事してるでしょ」


「えっ!? べ、別にしてないけど?」


 突然だった。家族でご飯を食べている時に、いきなり母さんがぶち込んできた。


「その服から血の匂いがするんだけど。しかも人間じゃない…魔物の」


「うっ」


 匂いかぁ!

 確かに盲点だった。

 というか、服を洗う時に水が赤くなっただろうし、どうせすぐバレたか。


「今日、本当はどこに行ってたんだ? 怒らないから言え」


 絶対怒りますやん…。口調強くなってるって。


「バラスの森です…冒険者の先輩に連れていってもらって、見学してました」


「やっぱりね。ダーくんから言いな」


「え、僕? うーん、嘘ついて危険な所に行ってたのは悲しかったけど、男の子だしね。1人で行ったわけでもないんだし、いいんじゃない?」


「…はぁ」


 ひえっ、母さんがため息をついた。


「カイン」


「はいっ!」


「何を仕留めたんだ?」


「えっ?」


 てっきり怒鳴られるのかと思ってたんだけど、まだ溜める感じですか?


「ゴブリンアサシンです」


「Dランクか、初陣にしてはやるじゃないか」


「…怒らないの?」


「別に。そもそもあんたが友達と遊ぶ、なんて言ってる時はその冒険者の所に行ってたんだろ? 今更どうこう言ったところでしょうがないよ」


「知ってたの!?」


 バレてないつもりだったんだけど。恥ずかしっ!


「子供が親に隠し事出来ると思うなよ? あたしはねぇ、無茶しなきゃ好きにやっても良いと思ってんだよ。だけどな、どうしても不安になるんだ。だから、また危ないことする時はあたし達に言ってからにしてくれ。…怖いんだ。せっかく生まれた子なのに、もし、大怪我したらって、思うと…うぅ」


「…ん?」


「うわあぁぁぁぁぁん! 怖かったよぉぉ! あたしの可愛い可愛いカインがぁ! 死んじゃうんじゃないかと思ってぇ! ほんどうによかっだ!!!」


「あれぇ?」


 母さんは姉御タイプの人だと思ってたんだけど、泣くとこんなになるのか?


「あーやっちゃった、カルちゃん落ち着いて、ね? …カイン、母さんは強がりだけど、本当は人一倍寂しがり屋なんだ。冒険者になろうと頑張るのは良いけど、母さんにも構ってやってね。…おやすみ」


 父さんは母さんを連れて部屋に帰って行った。


 俺は、父さんの言葉が耳から離れなかった。

 母さんが俺の事を泣くほど心配していた。

 父さんも、口に出してないだけで、心配そうな目をしていた。


 分からなかった。

 こんなに心配されることなんて、前世を含めてもなかったから。

 それでも、俺は考えなきゃいけないんだと思う。


 この2人は、俺の家族だから。

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