第14話 アメリカから来た探偵

 第6話とリンク🔗

 2015年7月23日

 山内学園の津田大輔が手首を結束バンドで縛られ、学園内のプールで溺死しているのが発見された。7月22日には、津田邸近くで包丁を持って歩く、目出し帽を被った男の様子を防犯カメラが捉えており、男が包丁で津田を脅して押し入った疑いが持たれている。


 事件当日、男は自身のスマホを京都府内の自宅に置いて大阪に向かっていた。スマホの位置情報を利用して「大阪には行っていない」と足取りを偽装し、アリバイ工作を行ったとみられている。さらに、翌23日午前8時に、津田のアドレスから男にメールが送られていた。メールは予約送信機能を使って送られており、津田の生存を偽装して死亡推定日時をずらす狙いがあったとみられている。


 23日の夜、樹はNHKのニュースを見ていた。

『油井亀美也宇宙飛行士を乗せたソユーズ宇宙船が打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)に行きました』


 2018年8月1日

 舞台は比叡山ひえいざん近くにある閑静な町の片隅、謎に包まれた廃校だ。ある日、町の住人たちは騒然となった。廃校で恐ろしい殺人事件が発生したのだ。事件の現場には無残な男性の遺体と共に、ウサギの形をした奇妙な怪物が現れたという目撃証言が残されている。検死の結果、この犠牲者は頭の骨を折られていた。被害者は後に、十河逸行そごういつゆきと判明した。十河は職員室だった場所で殺されていた。その他に犠牲者がいた、その犠牲者も十河同様に男性で、名前は今川海行いまがわうみゆき

「ガイシャは2人とも40代と思われます」

 同日の晩の捜査会議で、比叡山警察署の刑事課に属する三好敦人みよしあつと巡査部長は報告した。


 この情報に興味を持った探偵ジョン・スミスは、この事件の真相を解明するために調査を開始した。彼は殺人現場から証拠を探し集め、ウサギの怪物に関する情報を追った。同時に、殺人鬼とその動機を突き止めるため、町の住人たちと接触し、証言を集めた。

 今川はボールペンのキャップと画鋲を組み合わせた、即席のダーツで殺されたことが明らかになった。「留守の首筋の小さな傷はその為か……」

 その矢先、Xと名乗る人物からジョンのスマホにメールがあった。

《次は北近江高校の誰かを殺す》

 ジョンはXこそが留守殺しの真犯人だと確信した。


 8月9日

 失業した樹は比叡山にやって来た。

 比叡山は、滋賀県大津市の西南、滋賀・京都県境に位置する、標高848mの山である。古事記には淡海おうみ日枝ひえの山として記されており、古くから山岳信仰の対象とされてきた。


 国土地理院による測量成果では、東の頂を大比叡、西の頂を四明岳、総称として比叡山としている。「点の記」では、東の頂に所在する一等三角点の点名を「比叡山」としている。この三角点は大津市と京都市の境に位置するが、所在地としては大津市にあたる。この一等三角点「比叡山」の標高は、2014年5月に標高改算され、848.1mとなった。なお、比叡山は、丹波高地ならびに比良山地とは花折断層を境にして切り離されているため、比叡山地、あるいは比叡醍醐山地に属するとされる。


 京都側から見た場合、四明岳と大比叡をともに確認することができる。しかし、京都盆地から比叡山を見た場合、四明岳は確認できるが、大比叡の頂は四明岳に隠れてしまう。このときのバランスのとれた三角形の外観は、「都富士」ともいわれる。また、大比叡が見えない場合、四明岳を比叡山の山頂だと見なすことがあり、京福電気鉄道叡山ロープウェイにおいては、四明岳の山頂をもって比叡山頂駅と設定している。


 比叡山の山頂からは、琵琶湖や京都市街のほか、比良連峰などの京都北山も眺めることができる。また条件が良ければ、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山を望むことができる。山の東側には天台宗の総本山である延暦寺がある。また、山頂の北の「奥比叡」は「殺生禁断」とされているため、貴重な野生動物や植物の姿を確認することができ、特に、鳥類の繁殖地として有名である。なお、真夏の京都市内と比叡山の山頂近くとでは、気温が5、6℃違うという。


 8月10日、北近江高校2年5組のクラスメイトである笹崎亮太ささざきりょうたが突然失踪するという事件が発生する。4組の真柄瑛斗は彼の親友であり、彼の行方を追う決意をする。瑛斗の両親は長浜で民宿を営んでおり、旅人の美唄樹と協力し、彼が何か事件に巻き込まれているのではないかと考える。


 事件の真相を解明するために、瑛斗と樹は豊後紅子教師に接触する。しかし、彼女は何かを隠しているように感じられ、2人は彼女に関する情報を集め始める。


 一方、ジョン・スミスとして潜入している探偵は、学校内の様々な人物に接触し、亮太の失踪の裏に隠された真相を探り始める。


 事件は次第に複雑化していき、怪しい点が浮かび上がってくる。真柄瑛斗は、探偵のジョン・スミス、刑事の三好敦人と共に、迷宮のような学園で繰り広げられる事件の核心に迫っていく。


 三好は亮太の母親に詳しく話を聞いた。

「亮太は手につけられない程に荒れていました。壁に穴を開けたり、湯呑みを投げつけられたこともありました。意見を聞き入れられないと激怒するんです。最初はドアをバタンと閉めるくらいだったんです。最近じゃ私が作った食事は食べないで、コンビニ食ばかりなんです」

 母親は寂しそうだった。

 

 ジョンが徐々に事件の経緯を解明し、殺人鬼の正体を特定していく中で、彼はウサギの怪物に関する固有の情報を見つけた。ウサギの怪物は、古い伝承や町の噂に自身の存在を重ね合わせることで、その正体と目的を推測した。


 ジョンとウサギの怪物の対決は避けられず、彼らは留守の家で激しい戦いに突入した。ジョンは彼の鋭い洞察力と戦闘技術を駆使し、ウサギの怪物と戦った。一方、ウサギの怪物は不可解かつ恐ろしい力を持ちながら、自身の目的を遂行しようとした。


 8月15日

 第二次世界大戦から終結70年となる終戦の日を迎え、東京・日本武道館にて全国戦没者追悼式が執り行われた。

 気象庁は2015年8月15日10時15分、鹿児島県・桜島の噴火警戒レベルを「入山規制」の3から「避難準備」の4に引き上げたと発表した。


 汗が滝のように流れる。ミンミンゼミがけたたましく鳴いている。

 

 2015年9月24日朝、被疑者は比叡山近くのラーメン店に鉄パイプのようなものを持って押し入り、店員2人の頭部を複数回殴った。35歳の従業員は頭の骨を折り死亡、39歳の従業員は顔面骨折の重傷を負った。店の金庫からは売上金がなくなっていた。

 

 樹はアパート近くにあるレンタルビデオ屋で『私以外私じゃないの』(ゲスの極み乙女。)を借りた。5月にリリースしている。


 2018年8月20日午前、軍用トラック1台に乗った2人組の黒ずくめが学校を襲撃した。銃撃戦の末、真柄瑛斗、今村統いまむらおさむ弓削勝久ゆげかつひさの3人が射殺された。3人とも1年3組で夏期講習を行っていた。

 襲撃者達は当時改修工事を行っていた体育館の地下に事前に武器弾薬を隠し、準備を行っていたとされる。

 2人組の犯人のうち、1人は笹崎、もう1人は警察が到着する前に逃げてしまった。笹崎は殺人ゲームに勤しんでいた。より多くの人間を殺した人間が勝ちとなる。

 笹崎は真柄、今村を、もう1人は弓削を殺害した。さらにもう1人は津田のことも殺している。

 笹崎は罪の意識から持っていたリボルバーでこめかみをぶち抜いて死んでしまった。




 

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