第4話 文章力編 ~曖昧模糊で漠然とした概念【文章力】。その正体はパラグラフと文法の習熟度(断言)~
いきなり他書の話になりますがアメリカで文章教本の古典とされているウィリアム・ストランクのThe Elements of Style(文体の要素)という本はこれ一冊あれば他の教本はいらないというくらいに上手く文章の基本について纏めてあります。ネットで無料で公開されているので真面目に文章力向上を目指す人はこれだけは一度は目に通した方がいいと思います。
はい、言いたいだけの前置きを挟んでから早速本題に入ろうと思います。
まず断言します。文章力の根幹はパラグラフと文法です。これだけです。この2つの概念を正確に理解し、踏襲して反映させるだけで文章は見違えます。
ぶっちゃければ文章というのは殆ど慣れの世界です。慣れで何となく、この部位はこのくらいの分量かな、ここはこう書けばいいかなという判断をしています。だからこそ教えるのが難しく、あるいは教えようがない分野なのです。体内リズムとテンポの文章への反映のさせ方など言語で語りようがありませんから。
けれども、明確に教えられることがあります。それが上記のパラグラフと文法です。そしてこれこそが普遍的に通ずる殆ど唯二の文章技法と言えるでしょう。
では、どちらが重要かというと、圧倒的にパラグラフです。
というか文法というのはどこまで行ってもただのルールでしかないので、いくら習熟しても劇的に文章が上手くなるわけではありません。ただ凄く見栄えが良くなるだけです。でも、見栄えというものは、特にWEB小説では凄く重要なので……やはり重要です。人から文章力があるかどうか判断されるときにまず真っ先に見られるのは文法ですからね。
ただ、文法について語ることはあまり多くありません。本当に、てにをはをしっかりしましょうとか、動詞名詞、就職被修飾の関係性を守りましょうとかその程度の話になるので、重要だけど重要じゃないです。パラグラフと並べるのは言い過ぎだったかもしれません。
それに日本語というのは名文家で知られる谷崎潤一郎が日本語にはこんにゃくのような文法しかなく、この世に文法を正しく扱えているものは一人もいないと著書で断言するほどには文法があやふやなので、日本語を通して文法を学ぶと言うのは相当難しいと思います。というか不可能に近いです。
だから、もし文法を学ぶとしたら英文法を学ぶことをお勧めします。英語は文法の言語と言っても過言ではないくらいに文法――文章のルールが明確に定められています。そしてそのルールはしっかりと日本語にも当てはまります。中学生レベルで良いので、英文法を学ぶと、文法というものが良く理解できます。
この英文式の文法の遵守の化け物なのがかのリビルド・ワールドの作者で、本当に化け物みたいに文法を守ります。そしてそれが文章力にも繋がっており特異な表現にまで昇華されている稀有な例です。ただ普通はあんな風に書けはしないので、やはりそこまで気にしなくてもいいでしょう。本当、てにをはレベルで守ってればいいのですよ。
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