第2話 新たな生活

 早速、三階の掃除を始めることにした。


 ぷはー


 ホコリが雪の様に積もっている。先ずは窓を開けて……ギギギ。何年も開かなかった窓を開けると。


 この雑貨屋が高台にあるのか旧市街地を一望できた。素敵、こんな素敵な場所に住めるなんて。私は幸福感で満たされていた。


 そうだ、私はラジオを取り出して音楽をかける。おっと掃除、掃除。バケツに水を入れて床のモップがけだ。


「カナナさんお昼にしましょう」


 一階からララさんの声が聞こえる。


 もう、そんな時間か。ここはご飯にするか。でも、体がホコリだらけだ。


「シャワーはタダで使っていいよ」

「ありがとうございます。わ、わ、私、一生懸命働きます」

「まぁ、頼もしいわね」

「はい」


 私はシャワーを浴びると二階のダイニングキッチンで昼食だ。トーストパンにバターとサラダだ。


「いただきます」


 ガツガツ!!!ウグ……。水、水、喉につまった。


「はい、お水」


 ララさんがお水を手渡してくれた。


 はー助かった。


「クスクス、カナナさんは本当に可愛いわね」


 昼食が終わると食事の後片づけをしていると。ララさんの座っていた席に黒猫が座っている。


「あああああ、可愛い、ララさんですよね。これがにゃんこ族ですか?」


 にゃーんと返事を返す。黒猫の姿の時は喋れないのか。ボンと黒猫から煙が出るとララさんが人型になっていた。


「これで自己紹介は終わりです」


 にゃんこ族か、不思議な種族だな。さて、午後も掃除の続きだ。

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