にゃんこ族それは猫であるが人の姿に変身することが出来る。その『にゃんこ族の小部屋』で起きる百合エビソード。

霜花 桔梗

第1話 偶然の出会い

 私ははるか東方の田舎町から長旅を終えて古都サンディンに着いた。このサンディンは千年の歴史を持つ都だ。


 そして、私の名前はタピオリ・ジ・カナナだ。よし、今日からここの住人だと気合をいれる。


 先ずは宿を探してと……。


 あれは!黒猫だ!!!


 とても可愛い黒猫が裏通りから現れた。私は裏通りに向かって走り。その後、裏通りの道を右に左に走る。


 すると、一件の雑貨屋にたどり着く。少し窓の中を見てみると黒猫が居た。私は勇気を出して雑貨屋に入る事にした。


『カラン、コロン』


 ドアから気持ちのいい音がする。


「いらっしゃいませ」


 そこに居たのは黒髪ロングの私と同い歳くらいの女子であった。


「ようこそ、このベクトリ・マナ・ララの雑貨屋に」


 綺麗な声が私に届くと胸がドキドキする。


「は、はい」


 私は背中をピンと伸ばして返事を返すと。


「このプリズム型映写機なんてどうですか?」


 ララさんが手に持っているのはピラミッド型のプリズムです。


「こうして、ライトを当てると……」


 ララさんがプリズムにライトを当てると壁に黒猫の動画が映される。


「これ私なの、可愛いでしょ」

「ララさんはにゃんこ族なのですか?」

「そうなのよ、黒猫のララですわ」


 私は驚いた、にゃんこ族に会うのは初めてだし。ただのプリズムに光を当てるだけで動画が再生されるなんて。流石、サンディンの雑貨屋だ。


「決めた、この店で働かせて下さい」

「勿論、大歓迎よ。このベクトリ・マナ・ララの雑貨屋の名前は『にゃんこ族の小部屋』です。早速、仕事よ、三階の空き部屋の掃除です」

「空き部屋の掃除?」

「カナナさんは住む場所が無いようなので、ここに住むといいわ」

「住み込みでも、いいのですか?」

「はい」


 ララの提案は天国に登る気分であった。仕事に住む場所まで一度に決まったのだ。

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