全能と一つの石
ああ、アイザックから、薬漬けにした脳を見てみなさい。
彼は快楽に溺れて、多幸感の海の底で、まるで母胎回帰本能のままに愛で満たされているではないか!
全脳よ。震え給え。これが幸せの答えだ。死などどうでもいいだろう。血肉の海さえ、一滴の化学物質で、性愛の花園と化すのだから。
なら、私達は何者なのだろう。なんのために生きているのか。幸せになるためなら、薬漬けでいいではないか。
ここに一つの石がある。この石は化学物質を撥ね退けた。この石は世界をよく考察して、いくつもの答えを導き出した。
私はその石を深い深い死の谷に投げ入れた。彼はただただ落ちていった。石は谷底の湖に落ちた。知識を身につけるたびに重くなっていた石は、その湖の底で光を浴びることなく永遠を過ごすのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます