出逢い

 出逢い(前編)

 

 ザッザー


 やっぱり気になるな。この音は、まるで途絶えるような砂嵐のような音だな。俺は毎日この音を聞いてるのか。慣れというものは怖いものだな。さて、今日も信仰を深めるとしようか。


 日和神社にて。


 サッサっ、日和幸助、それが俺の名前だ。齢18にして、神社を継いだ跡取り息子という訳だがここの神社の噂は毎日耐えない。

 幽霊が出るだの妖怪が出るだの、神聖な地でそんな噂を立てるものが多かった。

 しかし、そんな噂が立つのも仕方がなかった。俺自体妙な力を持っており、この力を制御すら出ないからだ。時に、砂嵐のような音が鳴った日には、周りで誰かが危険な目にあっているか、死んでいるか、その2択だったからだ。お陰で俺は、疫病神だの祟り神だの好きに言われるようになった。


 ったく、神社の息子も楽じゃねえな。


 そう呟くと、後ろからもう一人の声が聞こえた。


「おっ。またやってんのか?幸助。」


 俺の後ろからは、俺の弟の康太がいた。康太は悪戯な笑みを浮かべながら俺の掃除の邪魔をしに来る。ほんとに鬱陶しい。そんな表情を読み取られたのか、康太からは嫌そうな顔に変わって、


「なんだよ別に散らかしてねえんだからいいじゃん。それよりさっ!今日はあの家行かね??」


 いつもの康太の悪癖が始まった。とある家に言っては女を口説いたり、目を離した隙に家の者にちょっかいを掛けたりして迷惑をかけるからだ。それの後始末は誰がやってると思ってるんだ。

 俺はため息を付きながら、康太の後をついて行った。


 そこで運命の出会いをするとは知らずに。

 



 出会い(後編)


 俺はいつものように、康太の後ろをくっつくように歩いた。今度はどこの家に行くつもりなんだ。はぁとため息を大きくつき、康太について行ったが康太が突然焦りを見せて振り返るもんだからぶつかってしまったのだ。


「隠れろ!」


 康太はそう叫び、近くにあった大きな向日葵畑に隠れた。

 すると、家からは豪華な飾りを身につけた女が現れた。女は、ひまわり畑をみるとみるみる笑顔になっていくので俺はその女の笑顔に一目惚れしてしまったのだ。康太はその様子をみてニヤッと笑い、俺をからかいだした。


「お前あの子の事すきだろ?」


 図星を付いたので俺は顔を赤くさせながらそんなんじゃないと悪態を付けた。しかし、ザワザワしてたので女も勘づいてこう言い放った。


「そこに居るのはどなた?」


 気づかれてしまったので俺はそのまま身をだし、名を告げた。俺の名は日和幸助、そう名乗ると女は再び微笑みに戻り、家へ案内してくれた。俺は不思議とその女について行ったのだ。女のことが知りたくて、だけども超えてはならぬ物があると知りながら。

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不協和音 不良のケイジ @KOTOBANODANNGAN

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