第2話

第一章 日本庭園と環境都市創造


一般的に、日本経済の縮小化また少子化にともない都市部の敷地の矮小化が進んでいる傾向があります。高層ビルやマンションの増加により、個人の敷地面積が制限されることが多くなりました。その結果、庭を作る余地が限られている場合もあります。ただし、都市部でも庭を作る余地がないわけではありません。以下にいくつかのオプションを挙げます。


ベランダやバルコニーの活用: 矮小化した敷地でも、ベランダやバルコニーを活用してコンテナガーデニングや鉢植えを行うことができます。多肉植物やハーブ、小型の野菜などを栽培することができます。屋上庭園: 高層ビルやマンションの屋上に庭園を作る取り組みも増えています。屋上のスペースを有効活用して、緑化や都市農業を行うことができます。


コミュニティガーデン: 公共緑地や市街地の公開空地を利用して、地域の人々が共同で庭園を作る「コミュニティガーデン」が設けられることがあります。個々の敷地の制約を超えて、広いスペースでのガーデニングを楽しむことができます。


公園や緑地: 都市部には公園や緑地が設けられており、そこで自然を楽しむことができます。これらの場所は、都市の中で自然の要素を体験できる場所として確保されています。また 緑地の 積極的導入も かんがえられます。


本書では コミュニティガーデンと 公園や緑地とに 日本庭園の心と技を 活用するという視点で話を 展開します。


日本庭園の作庭時に重要とされている理念、原理、原則は、以下のように述べられています。


1.自然の模倣: 日本庭園は、自然界の美しさと調和を表現するために作られます。自然の風景や季節の変化を模倣し、自然の要素を取り入れることが重要です。


2.ミニマリズム: 日本庭園では、シンプルで洗練されたデザインが重視されます。無駄を排除し、必要最低限の要素で美しさを追求する原則です。


3.周囲との調和: 日本庭園は、周囲の建築物や景観と調和するように設計されます。庭園が存在する場所や周囲の環境に適合し、一体感を持つことが重要です。


4.空間の活用: 日本庭園では、空間の活用が重視されます。適切なスペースの配置やバランス、間隔の配慮が行われ、庭園全体で心地よい空間を演出します。


5.季節感: 日本庭園は四季折々の美しい風景を楽しむことができるように作られます。季節ごとの植物の変化や景色の変化を反映し、季節感を感じさせることが重要です。


6.対称と非対称: 日本庭園では、対称や非対称の要素を組み合わせてバランスをとることがあります。対称的なデザインは整然とした美しさを表現し、非対称な要素は動きやアクセントを加えます。


これらの理念、原理、原則は、日本庭園のデザインや作庭のプロセスにおいて参考にされることがありますが、すべての庭園で必ずしも厳格に適用されるわけではありません。作庭家や庭園の目的に応じて、異なるアプローチやスタイルが採用されることもあります。


ところで 日本庭園の理念や原則は都市の開発や再開発における コミュニティコモンズ ガーデンや 公園や緑地の創出と意匠にも適用できます。


日本庭園と環境創造都市というテーマは非常に興味深く、日本庭園の美しさと環境への配慮を都市に取り入れることで、都市の景観や生活環境を向上させることができるでしょう魅力的なアイデアです。


次章に おいては まず 吉村元男による新梅田シチーの 環境創造都市と 日本庭園構想についての概要と そのプロジェクトと進行プロセスの 意義をのべていきます。











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