第14話 お仕置きもしなきゃだしね♪
俺らはその後、お互いにこれまでの人生を教え合った。
「俺は小学六年生の時に父親と母親が離婚したんです。原因は父親が不倫して、それに隠し子がいるってことだったんだけど。まぁでもなんとなくはわかってましたよ。不倫してるってバレる一年くらい前から家に帰ってこないなんか当たり前になってたからね。」
「海斗君はお父さんに何も思わなかったの?例えば怒りとかさ?」
「もう怒りっていうか、諦めなんですよ。こんなやつが父親なんて思いたくもなかっ他ですし。」
「そっか。」
「それでそんな男との子供なんかって言って母親も俺のことを捨てましたからね。」
「ひどい。」
「まぁ母親の気持ちもわからなくはないけど、あまりにも適当すぎるよなぁって思います。」
「お母さんは今も会ったりするの?」
「最後に会ったのは今年の年始だからなぁ。そんな頻繁には会わないですし。父親に至っては多分離婚して家を出て行った小学六年時以来会ってないです。」
「そうなんだ。」
少し沈黙が続く。
「でも!」
朱莉さんは明るい声で話しだす。
「海斗君にはもう、私がついてるから!ちょっとヤンデレになっちゃうこともあるかもしれないけど、許してね?」
「ヤンデレくらいの愛が俺には十分ですよ。」
「えへへっ。そうかな?」
「うん。」
朱莉さんには感謝だ。生きる希望をくれた人だから。
「朱莉さんは?これまでの人生。」
「んー。こないだ話したこともあるけど、まだ話してないこともあるかもしれないから、もう一回話すね!」
「よろしくお願いします。」
「まず私が生まれてすぐに両親が離婚しました。それで私は母親についていったのね。」
「うん。」
「それで私が5歳の時に母親が再婚したの。それですぐに妹ができたんだよね。」
「それが光莉、か。」
「そう。それで私は愛情なく育てられてね。親の愛は全部光莉に行ってたから。」
「んー。酷い話ですよ。それも。」
「お金はある程度出してはくれてたんだよね。高校も大学も行かせてくれたし。そこは感謝しなきゃ。」
「それで?大学時代に鬱のピークが来てたんですか?」
「海斗君に初めて会った大学時代ね。あの時ちょうど彼氏ができたんだけど。高校の同級生でね。でもその元カレ、まじ最低なんだよね。」
「ど、どんな風に、ですか?」
「だって私にヤらせろ、ヤらせろって。女をなんだと思ってるのかしら。」
「それで朱莉さんはヤったんですか?」
「ヤる訳ないじゃん!私はそんな、人のこと何も考えない奴になんか処女、あげたくなし。」
「えっ、朱莉さん、処女なんですか?処女ってことはそういったこともしたことがないと?」
「そんな処女って連呼しないで……///恥ずかしいから!」
「こないだあんだけ俺を誘惑しといてまだ、だったんですね。」
「もう!いいじゃん!」
朱莉さんはぷぅっと頬を膨らませて少し怒った表情。
「朱莉さん、可愛いです。怒った表情も。」
「海斗君はずるいなぁ。そうやって私に可愛いって言えばいいと思ってる…。」
「いや、思ってないですよ。」
「嘘だねぇー!」
笑い合って、話もだいぶ尽きてきた頃。
朱莉さんは俺にお願いをしてくる。
「海斗君。一ついいかな?」
「なんでしょうか?」
「その敬語、やめてほしいなぁ〜。」
「嫌ですか?敬語。」
「うん。付き合ってるのに敬語、嫌だ。」
「分かった。頑張って直す。」
「えへっ。もしかしたら私のいうことなら何でも聞いちゃうのかな?」
「そ、そんなことないですよ。」
「あっ!また敬語!」
「あっ。」
「こりゃお仕置きだなぁ〜。」
「痛いのはイヤなんですけど。勘弁してください。朱莉さん。」
「もう!敬語直んないじゃん!せめて名前くらい『さん』外してよ!」
「わかった、よ。朱莉。」
俺が呼び捨てで呼ぶと、朱莉は急に顔を赤くした。
「そ、そんな急に呼んだら心の準備、できてないって……///」
「んー!朱莉さん!俺、もう我慢できない!」
「へぇ!?」
俺は自分の欲望に負けて、朱莉に飛びついた。
「ちょっ!海斗君!急に飛びつくの、危ないから!」
「朱莉さん、俺、ダメみたいです。おかしくなっちゃいました。」
「な、何が!?」
俺は理性が飛んだかのように、キスをした。
しかし朱莉さんはそのキスを受け止めるどころか、さらに激しくしてくる。
朱莉さんは舌を器用に口の中で絡めてくる。
「朱莉さん…。俺、襲ってもいいですか?」
俺は一旦、唇を離して問いかける。
すると朱莉さんは答える。
「私も待ってたんだよ?海斗君と一緒になれるって。お仕置きもしなきゃだしね♪」
俺は朱莉さんの服を強引に脱がした。
※その後の出来事は皆様のご想像にお任せします。
あとがき
どうも。マリウスです。
次回作は八月半ばごろに掲載予定です。どうぞ気長にお待ちください。(前倒しする可能性もあります。)
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